鹿児島大学の井村隆介准教授を先生に迎え、親子で学ぶ「ぼうさいの時間」です。
多くの犠牲者を出した熊本地震から4月で7年です。
当時、熊本に大きな被害をもたらした「活断層」を学びます。
井上彩香アナウンサー
「今回の授業は、熊本県の益城町にやってきました」
鹿児島大学・井村隆介准教授
「2016年4月16日に立て続けに大きな地震が起こって、その時に地表に現れた断層を見てみたいと思います。保存されている所がある」
2016年の4月、熊本県を震度7の地震が2度襲いました。
災害関連死を含めた犠牲者は270人を超え、九州新幹線や高速道路が遮断されたり、物流が途絶えたりするなど当時は鹿児島でも影響が出ました。
熊本の中でも特に被害が大きかったのが、今回訪れた益城町です。
熊本で最も多い3000以上の住宅が全壊し、45人が命を落としました。
鹿児島大学・井村隆介准教授
「国の天然記念物に指定されている場所でもあります。断層が動いた跡を今もはっきりと見ることができる場所として国に保存されている場所」
井上彩香アナウンサー
「それが…?」
鹿児島大学・井村隆介准教授
「それが、ここになります」
井上彩香アナウンサー
「初めて見ると、元々、こういう形だったのかなと思ってしまうんですけど、違うということですか?」
鹿児島大学・井村隆介准教授
「元々、真っすぐだったものが、2016年の熊本地震の時にズレた。この辺りで最大のズレは(右に)2.5mぐらい」
国の天然記念物に指定されている、堂園地区の布田川断層帯。
4月16日に発生したマグニチュード7を超える地震で、断層が地表に現れました。
こちらは、当時の写真。
畑に一直線に亀裂が入り、地表のズレは民家にまで到達しています。
鹿児島大学・井村隆介准教授
「(地震は)実際には地下10km、20kmで起こる。そこでズレたものが地表にいろんな形で現れたのが、この地表での活断層。全部断層に沿って2mぐらいズレてるかというとそうではなく、ここみたいに2m以上ズレて見えるところもあれば、数十cm横にズレて見えているところもある。ただ追いかけていくと、ほぼ直線上に並んでいるというのが断層」
また、益城町の杉堂地区も国の天然記念物に指定され、潮井神社の拝殿までの石段が大きく崩れ、ご神木が根元から倒れている様子がほとんど当時のまま保存されています。
ところで、鹿児島の活断層はどうなっているのでしょうか?
鹿児島大学・井村隆介准教授
「県内でもこれまでも知られている活断層、特に大きなものだと出水断層とか知られている。そもそも地形に見えている断層は、過去にズレた痕跡が積み重なって今見えている。それが鹿児島にもあるというのは、今後もそこで地震が起こる可能性があると考えざるを得ない」
井村先生は当時も、この堂園地区を調査で訪れています。
井上彩香アナウンサー
「見える風景は7年経っていかがですか?変わりましたか?」
鹿児島大学・井村隆介准教授
「当時の写真と比べると、おうちが新しくなったり、外壁が新しくなったりしてる部分、あるいは道路がコンクリートで打ち直されている部分がたくさんある。新しく建て直された家の中には、当時2階建てだったけど、平屋にしましたということを聞いたことも」
何気ない風景にも痕跡が。
一見、のどかな田んぼ道ですが…
鹿児島大学・井村隆介准教授
「例えば、ここを見てください。田んぼに水を引くための水路。大きく壊れているのが分かる。全体を見ると、真っすぐだったものがちょうどこの辺り、壊れているところを境に大きくズレている」
「この水路が曲がってるのと同じように白線も同じ幅曲げられているのが分かる」
活断層の威力は、町の中心地にもー
井上彩香アナウンサー
「当時は倒壊していた?」
鹿児島大学・井村隆介准教授
「倒壊していた家屋も非常にたくさんあった場所。一番メディアが来られた時に被害が大きかった場所でもある。今、ここも工事されてるんですが、実はこの側溝曲がっているの分かりますか?」
井上彩香アナウンサー
「右に…」
鹿児島大学・井村隆介准教授
「側溝がそこでズレてる」
井上彩香アナウンサー
「本当だ」
鹿児島大学・井村隆介准教授
「もとの側溝はここでズレてた。それをまたズラして(新しく側溝を)造っている。これだと、靴の幅+αぐらい30~40cmしかズレてないんですけど、町の中を断層は通っていった」
当時、先生が撮影した写真です。
端には倒壊した建物。
人々の日常の中に、側溝がズレたり、浮き上がったりした状況が記録されていました。
鹿児島大学・井村隆介准教授
「実際に地形を見て頂くと分かるんですが、そちら側に山があってずっと神社があって平坦なんですけど、ここだけ坂。この大地の境界が実は活断層だった」
「皆さんの周りにもそういう坂はあって、それが全部活断層かというとそうではないんですけど、皆さん気づいてないだけで、かなりこういう町の中に潜んでいる、地球の現象があることを知っておいてもらえたら」
熊本地震から4月で7年。
7年経っても、マグニチュード7を超える地震の威力がどれほどのものだったのか私たちに教えてくれる、活断層の痕跡。
隣接する県で起こった地震に全員が緊張感を持ったあの当時を思い出し「もしも、同規模の地震が鹿児島で起こったら…」を想定して備えてみて下さい。
忘れずに学び続けることが大事ですね。
覚悟して備えておくことも。
公開してくださりありがとうございます。