大河ドラマ『光る君へ』第13回 をネタバレでレビュー&解説。漢詩、源氏物語オマージュとシナリオの解説です。
ハラハラしたまひろと倫子の会話。幼い頃から惹かれ合うまひろと道長は光源氏と藤壺のよう?はたまた、11歳の一条天皇と15歳の定子こそ光源氏と藤壺?よりよき政を目指す道長と、民に文字を教えるまひろ、それぞれの道を行く2人。「あめつちの詞」の紙の裏側に書いてあった漢詩の意味は?「安和の変」の糸を引いた藤原氏を憎む源明子が兼家に向けた笑顔が恐すぎる!清少納言も「枕草子」に記した宣孝の派手服。嫁姑戦争の予感?詮子と定子はなぜギクシャクしていたのか。
●タイムテーブル
00:00 はじめに
00:58 ハラハラした倫子との会話
02:57 道長とまひろは光源氏と藤壺?
04:07 一条天皇と定子も光源氏と藤壺?
05:54 よりよき政を目指す道長
07:02 民に文字を教えるまひろ
07:45 紙の裏側の漢詩の意味
08:36 源明子 VS 藤原兼家
09:48 清少納言も見た!宣孝の派手服
11:01 詮子と定子はなぜギクシャク?
●取扱い作品
大河ドラマ「光る君へ」(2024年)
主人公は紫式部(吉高由里子)。 平安時代に、千年の時を超えるベストセラー『源氏物語』を書き上げた女性。©NHK
公式サイト:https://www.nhk.jp/p/hikarukimie/ts/1YM111N6KW/
●参考文献
道長ものがたり 「我が世の望月」とは何だったのか ― 山本淳子 著, 朝日新聞出版
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番組名「東京フレンズの映画(シネマ)なレンズ」
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おつかれ様です シネマリンです 大河ドラマ光る君へ 第13回進むべき道 観ました 前回のまひろと道長の決別から 4年の月日が経ち 2人が別々の道 それぞれの使命の道を 歩んでいる様子が描かれました 急激に老いてしまった 兼家も印象的でした 道長と同じく寂しさも感じつつ 政は家のためのものと 断固として言い切る姿には 私もたじろいでしまいました まるで光源氏の周りの 女性たちを呪い殺す 六条御息のような 道長のもう一人の妻 源明子 今回彼女が兼家に 接近していくシーンも 見どころの一つ だったかなと思います 一方で ついに高畑充希さん演じる 定子が初登場 華やかでお茶目で気が利くという 定子のイメージぴったりの キャラクターを 演じられていました まだ幼い一条天皇との 仲睦まじい様子が 微笑ましかったです 早速振り返っていきましょう 当時としては最年少 弱冠7歳で天皇となった 一条天皇の即位と 兼家の摂政就任 そこから4年時間が飛び 中関白家道隆一家の 団らんの場面から始まりました 兄伊周の恋文を盗み見る定子 兄と軽口を叩き合う 愛嬌のある少女ですね まさかこの時の道隆の 恋心とは秘めたるもので 人に見せるものではない という言葉が 後のまひろと倫子の ひやっとするようなやり取りの 伏線だったとは 道長は婿入りするとき まひろが道長に送った文を
この倫子が生まれ育った家まで わざわざ持ってきて 大事に保管していたのです 前回第12回で 文を一通も送らずいきなり 倫子と枕を交わした道長 にも関わらず 他の女性からもらった文は 大切にとっていた 倫子は心穏やかでは ないでしょう まひろとしても 次々と明らかになる事実に 顔には出さずとも 心乱れたことでしょう 道長が自分の手紙を ずっと大切に 持ってくれていたこと さらに庚申待の夜に 道長とまひろが 別の道を行くと決別した その後すぐに 道長が突然倫子のもとを訪れ そこで初めて 男女の関係になったこと まひろは初めて知ります 道長は婿入りすることを まひろに知らせるまで 倫子と文を交わしたことすら なかったのだ 少なくともあの時点において 道長がまひろに言った 嫡妻ができたとしても お前が一番だという言葉に 偽りはなかったことが まひろに疑いようもなく 明らかになりました さらに 追い打ちをかけるように現れた ひとりの少女 道長と倫子の間に生まれた 彰子です 道長の人見知りな性格も 受け継いだ姫 まひろはその幼い顔に 愛した人の面影を 見たのではないでしょうか まひろの思いを想像するだに 胸が締め付けられます 表面的には静かながら 大変ドラマティックな 倫子とのやり取りでした そしてとうとう最後には 道長と出くわしてしまうまひろ
倫子の屋敷で再会した2人 恐らく4年ぶりでしょうか 2人のただならぬ関係が こちらにも伝わってきそうな 道長の表情 倫子と源明子を 妻にとりながらも 道長の心の一番大事な場所には まだまひろがいるのでしょう この傍にいる女性たちを 愛しながら心の奥底では 結ばれない一人の女性を 思い続ける道長というのは その生涯をかけて 藤壺女御に恋焦がれる 光源氏を思わせる ところがあります 光源氏が3歳の頃 源氏の母桐壺更衣が亡くなります 悲しみに暮れていた父桐壺帝は 桐壺更衣にそっくりな女性 藤壺女御を妻として迎えます 光源氏は元服後も 藤壺を慕い続け 次第にその思いは 恋愛感情に変わります 大人になった源氏はとうとう 藤壺と密通してしまい 2人の間に不義の子が できてしまいます 藤壺と光源氏に重なるように 子どもの頃から 惹かれ合うところのあった まひろと道長 今後どこかのタイミングで まひろと道長が許されざる 愛の過ちを犯してしまうのか という展開も 頭をよぎってしまいます 一方で 一条天皇が元服するやいなや 即座に入内した定子 これにより兼家の権力基盤は 盤石なものになりました この時 一条天皇が11歳定子は15歳 源氏物語で桐壺帝が藤壺女御を 妻として迎えた時には 光源氏7歳藤壺12歳 年のころといい 帝と定子の仲睦まじい様子も 子ども時代の光源氏と藤壺を 思わせるものでした 漢詩や漢文に親しんだ一条天皇 その趣味の良い相手と
なったのが 当時の女性としては珍しく 漢文の教養があった 中宮定子でした 漢文を定子に教え込んだのが 彼女の母親高階貴子です 大鏡は彼女を まことしき文者 本物の漢詩人と讃えています 道隆の妻高階貴子は バリバリのキャリアウーマン 100人以上にものぼる 女官たちを統括する尚侍司の no. 3の管理職掌侍でした 先ほどの大鏡は彼女を 少々の男にはまさりて 生半可な男よりは有能と 評しています とはいっても血筋によって 身分が決定づけられている 当時の貴族社会においては 仕える身の女房はしょせん女房 上級貴族の娘に比べれば その階級には 雲泥の差がありました それでも道隆が 妻となる女性に望んだのは 家柄の高貴さではなく 貴子の知性でした 道隆のこの見立ては見事に当たり 実力者の母から 知性と自信を受け継いだ定子に 一条天皇はぞっこん 厚い寵愛が続きました 殿の好きなもの 全部好きになりたいです という定子の言葉は 後に一条天皇が好きな漢詩を 共通の趣味として 夫婦の強い絆を結んでいく おしどり夫婦の未来を 予感させるものでした 遡って前半の場面 宮中の会議で摂政や大臣ら 上の身分の公卿たちを前に 遥か遠方からやってきて 上訴する民の声には 切実なものがあるはずと 毅然として自分の考えを 示した道長 実資も こいつは骨があるぞと 感心した様子でした
どうやら道長 まひろが託した よりよき政をする使命の道を 自分なりに進んでいるようです 道長が大切に文箱に収めていた 陶淵明の帰去来辞 過ぎ去ったことを 悔やんでも仕方ない それぞれの進むべき道を行こう というまひろからのメッセージ が 道長にとって心の拠り所と なっているのでしょう 民なくば 我々の暮らしもありませんと 訴える道長 これと対照的だったのが 父の兼家が道長に告げた 民におもねるような ことだけはするなよ という言葉です 第13回では 急速に老い衰えていく 兼家が印象的でした 最期が近いことを悟った今 改めて お前が守るべきは民ではない 家の存続こそが政だと 鬼気迫る表情で 道長に告げた兼家 道長を圧倒しました 文字が読めないばかりに 我が子を奪われる母の悲劇を 目の当たりにしたまひろ 現代の私たちには とても想像できないような 痛ましい出来事でした この経験から まひろは一人でも多くの人に 文字を教えたいと 考えるようになります 道を行く人たちに 文字に興味を持ってもらうため 町辻で乙丸と寸劇をするのは 直秀たち散楽一味を 真似しているのでしょう まひろの中に 直秀の生きた証が 確かに残っている 胸が熱くなりました 文字に興味を示した 庶民の女の子たねに 文字を教え始めたまひろ この時まひろは
仮名48文字を重複しないように 使って作られた手習い歌の一つ あめつちの詞を使って 文字を教えていました まひろが持っている あめつちの詞を書いた紙 この紙の裏側に 書かれていたのが白楽天の 集賢池にして侍中の問に答へき という漢詩でした そして実はこの漢詩が 今回第13話のラストの展開を 予感させるものだったように 思います まひろが倫子を訪ねるシーン はじめに倫子の屋敷の 庭の池のカットが入ります 白楽天のこの漢詩は 長居している客人に 家の主人が声をかける それを受けて客人が 池の水面に映った月を一晩 に貸してもらえないだろうかと 主人に尋ねるという場面を 詠ったものです このドラマで月が象徴する キャラクターといえば そう道長ですね 倫子の屋敷でつい 長居してしまったために まひろが仕事を終えて 帰ってきた道長に出くわす この展開を予感させるような 漢詩でした 道長のもう一人の妻源明子 兼家を呪詛するため 彼の扇子を手に入れようと 彼女が接近していく場面には ドキドキしました 源明子はなぜ兼家を 恨んでいるのか 彼女の父高明が失脚に 追い込まれた安和の変は 藤原氏の陰謀だったとも いわれています このことから 明子は藤原氏を恨んでいて 今一族のトップである兼家に その恨みの矛先を向けている ということでしょう 耄碌して明子に 父はご息災ですかと 聞いてしまう兼家 亡くなりましたと
答えれば済むものの 明子はわざわざ 父は大宰府から帰ったあと 亡くなりました と答えます 父を大宰府に左遷したのは あなたの一族ですよね という思いが彼女の中に あったのでしょう 兼家を詰るような 気持ちが表れています 前の場面で 赤ちゃんができたと 明子が道長に告げた際 こんな時でも笑顔がないのだな と 道長は憂いていました うってかわって 兼家の扇子を手に入れた時 明子はこれまで見せたことの ないような笑みを 浮かべていました ほほ笑むことすらなく 生きてまいりましたという 直前の明子の言葉が効いていて その笑顔が非常に 恐ろしかったです ド派手な格好で御嶽詣に 行ってきたと まひろに自慢していた藤原宣孝 このくだりはずばり 清少納言の枕草子からの引用です 宣孝は皆と同じ格好だと 大勢の参詣者たちに 埋もれてしまい 願い事も叶わないと考え あのド派手な格好で参詣しました この約2か月後 宣孝は現在の福岡県 筑前国守に抜擢されます 宣孝の言ったとおりだった ご利益があったのだ そう人々が噂したと 清少納言は記しています このシーンで為時が 宣孝の息子をまひろの婿に もらえないだろうかと 聞きますが 駄目駄目駄目の 一点張りの宣孝 宣孝はもう長らく まひろに良い婿をと 駆け回っています 彼が自分の息子を
まひろと同じ年頃にも関わらず これまで婿候補として 言い出さなかったのは まひろにはもっと良い婿をと 考えていたからでしょう ここまでまひろのことを 大事に思っている宣孝 ご存じの方が多いと思いますが ゆくゆくは宣孝自身が まひろと結婚することになります 実入りがなくても庶民に 文字を教えようとするまひろを 面白い女子と感じた宣孝 これから更に まひろに対する好意が 彼の中で育っていくのでしょうか 大事な一人息子 一条天皇のもとを訪ねた 藤原詮子 天皇と仲睦まじい様子の定子と ギクシャクした空気が 流れていました これはなぜだったのでしょう 詮子自身が夫円融天皇と 夫婦仲がうまくいかない日々を 長らく過ごしてきました なきに劣りて生ける身ぞ憂き 死んだ人より もっとひどい状態で生きている この身がつらいと 歌に詠んで 夫に突きつけたこともあります 対照的に その夫と自分の間の息子 一条天皇は妻の定子に 難なく懐いている しぶしぶ手習いに行く天皇が 名残惜しそうに振り返るのは 母親の自分ではなく妻の定子 大事な一人息子が 定子のものになって しまったようにも感じて 複雑な気持ちだったのでしょう 詮子の これからもせいぜい 遊んでさしあげておくれ という言葉には 少し棘を感じましたよね 藤原詮子と定子の嫁姑関係 二人の間の緊張感も 一つの見どころとなって いきそうです ということで 第13回進むべき道
振り返ってまいりましたが 割と表面的には穏やかな回ながら まひろの気持ち 道長の気持ち 倫子の気持ちなど 本当に出てくる人物一人一人の 心が波立っているのが 伝わってくるような やはり今回も息つく暇もなく 終わってしまったという 感じでした まひろと出くわした道長 すごい顔をしてましたけど 次回果たして 二人はどうなってしまうのか 続きを楽しみに 待ちたいと思います おかげ様で 光る君への動画を 沢山の方に観て頂けているので これからは毎週 動画を出すことにしました 引き続き楽しんで頂けたらと 思います もしよろしければ チャンネル登録お願いします いいねコメントも お待ちしております 今回も最後までご視聴頂き ありがとうございました それではまた次の動画で
詳細に解説されています。👏👏👏
漢詩の意味を知りたかったので、納得です。
シネマリンさまの穏やかな語り口と、ドラマ内の伏線、人々の内なる想いを的確に捉えたご解説に心奪われております。次回も楽しみにお待ちしております🍀
えっ毎週更新!うれしすぎます、ありがとうございます。シネマリンファンがどんどん増えていることに寂しさも覚えつつw
白楽天の詩…この庭はひそやかで月もこれを楽しまない…
シネマリンさんのご解説を聴いていたら、ふと道長のそんな心情に思い至りました。ああ…豊かです。
裏に漢詩が書かれていたことさえ気づいていませんでした😅
土御門殿弟の風光明媚な庭のカットには、そんな演出の意図があったのですね!
NHKプラス再視聴して、確認します😊
最後の二人が鉢合わせしてしまうシーンでの道長の表情。
衝撃と困惑、さらに怒りのような感情すら感じてしまいました。
次週も楽しみですね😊
ありがとうございました🙏
「史実」&「源氏物語エピソード」&「創作」を見事に織り上げた脚本ですよ。毎回感心しています。
キャストの演技も凄い。高畑充希さんは本当に十代の少女のようだったし、段田安則さんもアクの強いダークな藤原兼家とその老いを完璧に演じてますね🤔
あめつちの詞の紙の裏に書かれた漢詩が分かりました。解説してくださり、ありがとうございます。
さて、
「あめつちの歌」、は源順の作。
あらさじと うちかへすらし をやまだの なはしろみづに ぬれてつくるあめもはるに ゆきまもあをく なりにけり いまこそのべに わかなつみてめつくばやま さけるさくらの にほひをぞ いりてをらねど よそながらみつちぐさにも ほころぶはなの しげきかな いづらあをやぎ ぬひしいとすぢ
では?
まひろがたねに教えた手習いの言葉は、源順の「あめつちの歌」を元にした、
「あめつちの詞」。
ではないでしょうか?
🌸訂正 07:40 ×あめつちのうた → 〇あめつちの詞(ことば)
また、あめつちの詞は和歌ではないため、手習いに使われた言葉ですが手習い歌ではありません。
定子に高畑充希とは、いい役者を使うのは、さすがNHK。天皇がなつき、いずれ寵愛されるのもごく自然に見える。幼く、かわいく見える。将来、紫式部陣営と対立するのか? 心の中の事は解らないだろうから、どのようにドラマを作るのか、興味がわく。
すっかり老いた摂政が、突然しっかりして、「政は家の為」と道長に言い渡す場面は、善悪を別として、打たれた。
光る君への解説チャンネルの一つに加えました。
文学も絵画も映画も過去の芸術作品の引用、オマージュがあります。知識があるかないかで作品解釈も変わりますからね。このチャンネルは参考になりますが私は漢詩の知識がないので残念です。