A・STEPアナウンスフォーラムは、ナレーターやアナウンサー、俳優、声優などが参加する声のプロフェッショナル集団です。
このチャンネルでは、ハートウォーミング作品の名手・内海隆一郎さんの小説の読み聞かせをお届けします。
どうぞ、心温まる名作の数々をお楽しみ下さい!
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A・STEPアナウンスフォーラムは、2004年9月に初めて開催されたA・STEP朗読フォーラム「時の過ぎ行くままに」第1回公演で「うたごえ」を朗読して以来、毎回、内海作品を朗読してきました。
2012年6月には鳩山会館において「内海隆一郎を読む~作者を囲んで~」を開催、内海先生にも対談にご出演頂きました。
また、FM世田谷で朗読番組「モーニング・ライブラリー」をスタートするにあたり、内海先生から直接、放送に対する許諾を頂き、これまでに250作品以上を朗読してきました。
この度、インターネットに作品を公開するにあたっては、著作権をお持ちの奥様、内海栄子様に、ご了承を頂いております。
※内海隆一郎先生の作品は許可なく複製、転載などすることはできません。ご注意ください。※
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[音楽] 宇龍一郎作 2人 連れ中央自動車道を2時間あまり走り続け てようやく諏訪湖を眼科にするサービス エリアで車を止め た湖を眺めながらコーヒーを飲もうと山本 さんは思っ たまだそのぐらいの時間のゆりは ある車を降りてレストランへ向かう山本 さんを小さな女の子が見守ってい た8歳ぐらいのおかっぱ頭の女の子だっ た駐車場の際にある大きなくずかごのそば に立ってい たじっと観察して いるその真剣なまなざしと山本さんの視線 があっ た女の子がすぐに目についたのは金曜日の 午後4時過ぎにしてはサービスエリアが 混んでいなかったから だ3月上旬の空は雪でも降らせそうな黒い 雲に覆われてい たレストランの窓から嘘寒い湖面が見えた コーヒーをすすりながらふと見るとさっき の女の子がよあげにレジのとに立っていた さりげなく山本さんの目を捉えて いるどう見ても知らない子 だ山本さんは湖面に目を戻し たあと14kmで岡谷のインターチェンジ を出るそれから塩尻峠を超えれば16km で 松本時間にすると峠道を入れてもこ1時間 というところ か山本さんは計算し ながら松本市の自宅に今夜現れることに なっている娘の恋人の顔を思い出そうとし てい た今夜の6時山本さんはその青年に娘との 結婚の承諾を与えなければならないのだっ たおじ さんお願いがある のレストランを出たところであの女の子が 山本さんの前に立ちはかっ た本のジーンズの上下を着て赤い小さな ポシェットを肩から斜めに吊るしてい た もしおじさんが塩知の方へ行くんだったら 車に乗せてってほしい の山本さんは真正面から見上げている クリクリした瞳を見返し たへの字に結んだ唇は少しも可いげが なかったが丸っこい花には愛嬌が感じられ た手を伸ばしてつまんでやりたくなるよう な小さな花は山本さんの娘の幼いに そっくりだっ
たどこまで行くんだいお家の人と一緒じゃ ないのか い長野県木曾軍奈川村というところに行き たい のおばあちゃんと一緒 です奈良川村と言うと確か昔の基礎街道の 習いという宿場があるところだなそう ですその習いでおじいちゃんが待っている ん です私おばあちゃんをそこまで送っていく のおばあちゃんと2人でひっちゃ行くか よし途中の塩尻までなら乗せて やろう女の子は顔を輝かせておかっぱ頭を 背後へ巡らせ た大声でおばあちゃんと呼ん だすると自動販売機の並んだ間から1人の 老女が現れ た焦げ茶のハーフコートを着た老女は白髪 をおかっぱにしていた背の高さといい顔の 丸さといいまるで女の子にそのまま70歳 ほど土地を取らせたみだっ た神部座席から助手席へ身を乗り出すよう にして女の子は山本さんに話しかけ た嬉しくて仕方がないと言った様子だっ たあそこまで乗せてくれたトラックの運転 士さんが教えてくれた のあのレストランでのんびりコーヒーを 飲む人なら大概は 岡谷から高速道路を出る人だっ て東京から便乗させてもらったのは中央 自動車道をまっすぐ言い出へ向かう トラックだっ たそれで2人は分岐店の手前にある サービスエリアで降りなければならなかっ たそこで3時間も待ってようやく山本さん に拾われたのだっ た1人で常用者を運転している40歳 ぐらいの男の人がいいとも教えてくれた わおじさんがそれにぴったりだっ た40年配の中年男性なら大抵は子持ちの はずだからきっと女の子の頼みを聞いて くれるそれに運転者1人なら道場者の思に 左右される心配も ない49歳の山本さんは初めて見かけた時 の女の子の観察する目を思い出してい たそれでもずっと断られ同士だった のおじさんが16人目だったの よ高速道路はほどなく飯田方面への本道と 岡谷へ右折する道との分岐店に差しかかっ たここから3.5kmで おしそこでインターチェンジを出ると塩尻 峠で あるおばあちゃんは大丈夫なのかいなんだ かひどく元気がないみたいだ が山本さんは後部座席をバックミラーで
覗きながら聞いた 老女は座席に沈み込んで目を閉じたまま ぐったりしてい たお腹が空いてるだけな の朝ご飯を食べたきりだ からなんだってさっきのサービスエリアで 何か食べればよかったじゃない かだってお金がないんだ ものおい よいいくらひくだって食事代か弁当ぐらい 用意してなきゃだめ だろうだっ て家を出る時持ってきた3000円は高戸 の高速道路の入口までタクシーに乗ったら 全部なくなっちゃったんだ もの唇を尖らせている女の子を横目で見て から山本さんは小さく下打ちをした それっぽっちのお金を持たせてよく小学生 とおばあちゃんを旅に出したもんだ な一体君の両親はどうなってるん だ女の子は急に黙りこくって後部座席に 沈み込んだ唇をへのに結んで車窓を睨んで いるのがバックミラーに移っ た山本さんの胸に良くない予感がよぎっ た塩尻峠の登り坂を走りながら山本さんは 娘のことを考えてい た車のトランクに商品サンプルとゴルフ 用具を積んでこの坂を下ったのは昨日で ある初めは5日間の出張予定だっ た東京のの取引先の注文を取って回るのに 3 日間あの2日間は土曜日曜で以前から取引 先の専務に誘われていた1泊ゴルフに 付き合う予定だっ たところが家を出る直前になってどうして も金曜日の夕方には帰ってきてほしいと娘 が言い出し た相手の青年と約束していたのをなかなか 言い出せなくてギリギリになってしまった のだと いうまだまだだろうと思っていたのに23 歳になったばかりの娘が急に正式な話を 言い出したので山本さんは少なからず 面食らってしまっ た塩尻峠の頂上近くに小さな食堂があっ た駐車場に車を入れて時計を見ると午後5 時になるところだっ たさ降り なさいラーメンをご馳走して あげようおばあちゃんも どうぞテーブルに向かい合って初めて山本 さんは老女の様子が少しおかしいことに 気づいた 一言も口を聞かないだけでなく初対面の 山本さんに気遣うそぶりも見せ
ないそわそわとひたすらラーメンを待つ 様子はガゼない幼児に似てい た君 ねもしかしてお父さんやお母さんに黙って 出てきたんじゃないの かこのおばあちゃんと2人きりの七なんて 許すはずはないと思う よ女の子は黙りこくったままテーブルの 仕立てを見つめていたその様子は山本さん の水量の正しさを証明してい たもしそうだったらすぐここでお家に電話 し なさい今頃大騒ぎになってる よお父さんもお母さんもまだお勤めから 帰ってない もの帰るのは7時頃だ もの女の子が細い声で答えた時2人前の ラーメンがテーブルに並べられた老女は 挨拶もなく食べ始め た女の子の方は相変わらずじっと橋立を 睨んだままだった まあいいから食べ なさい話はそれから だ習いのおじいちゃんのところへ行けば なんとかなるんだろう し女の子はいただきますと小声で言って から勢いよく食べ始めた丸っこい鼻の頭に 汗が浮いてい たやがて2人ともどんぶりを両手で そこの汁まですり込ん だそれにしても君は大した女の子だ ねおばあちゃんを連れて中央自動車道を ひち早くするなんて自分で考えたのかい うんちゃんと地図なんかも調べ たどうして内緒で家を出てきたんだ いだっておばあちゃんが一生懸命におじい ちゃんのそばに帰りたいというの に女の子の両神はなぜか元を左右にして どうしても帰らせないおばあちゃんの熱い にほだされて彼女は決心したのだそう だそっかきっとおじいちゃんを愛してるん だだから会いたくてた だ山本さんが言うと女の子は大きく頷いた 輝くような笑顔がようやく蘇っ た車に戻ってから女の子が言ったおじ さんとっても優しいの ね山本さんは苦しながらエンジンをかけ ゆっくりとを発信させ た優しいはずがあるものかと山本さんは 思っ た優しかったら3日前にあんなに娘を 怒鳴りつけたりはしなかっ たろう東京へ立つ直前に娘が言い出した話 に山本さんは腹を立てたのだっ た娘の予定では
金曜日に山本さんの承諾をもらった後土曜 と日曜に1泊の予定で青年の故郷へ行く ことになってい た先方の漁師に会うためだっ たそんな勝手な予定に付き合うわけには いかないと山本さんは怒鳴っ た腹の虫が収まったのは東京に着いてから だった 昨日の朝奥さんが宿泊先に電話をかけて よして娘がだいぶ反省しているからなんと かしてやってくださいと懇願し た山本さんは負傷部将という形で了解する ことにし た実はゴルフの予定はとっくに取り消して あったの だ 塩尻峠の下り坂はなだらかな傾斜だった 女の子が助手席に乗り出すようにして山本 さんと話していた老女は人心地のついた顔 で2人の話を聞いている様子だっ たおばあちゃんが君の家に泊まりに来て からどのぐらい経ったんだ いえっとね 1年とちょっとか なじゃあ その間おじいちゃんとおばあちゃんは ずっと離れ離れになってたの かそうだからおばあちゃんは早く帰りたく て毎日泣いてばかりいた の女の子は至るような笑を老女へ向けて まるで幼い妹にでも話すように言っ たもうすぐよあと少しでおじいちゃんの とこに着くから ねもう大丈夫 よ老女は嬉しそうに笑って深く頷いた山本 さんはバックミラーを見ながら微笑ましい 思いに包まれ たそれにしてもどうしておばあちゃんだ1 年もの間君の家に来ていたのか なだっておじいちゃんが死んじゃったから おばあちゃん1人じゃ暮らせない でしょ女の子は子投げに行っ た山本さんは危うくブレーキを踏み込み かけた皇族者のクラクションが聞こえ たちょっと待ってくれよ今確かにおじい ちゃんが死んじゃったと言ったよ ねそうずっと 前去年の正月 頃おかしいじゃないかそのおじいちゃんに 会いに習いへ行くって言っ たっておじいちゃんはもういないんだ よいるのおばあちゃんがいつも話している ものおじいちゃんはちゃんと待ってい るってだから行くんじゃない の女の子は当然のことを話すように穏やか
にきっぱりした口調で言っ たしかしそれはおかしい よいくら小学生でもそのぐらいのことは 分かる だろう言いながらバックミラーを見上げた 山本さんは息を だ小さな細長い鏡の中に山本さんを見つめ ている老女の目があったその目は山本さん の不当な言葉に対して必死に行為している ように見えたその上涙をいっぱいにこらえ ていたので あるこれは困った連中を拾ってしまったと 山本さんは思思った目的の習いへ行っ たって身よりは誰もいないんじゃないか すると今夜はどこに止まるん だろう東京へはどうやって帰るん だろう車は塩尻峠を下り切っ たここから右折すると塩尻の街並みに入る さらに3kmほど行くと松本方面と奈良井 方面へ別れる交差点に 至るそこで2人を下ろしてしまうしかない なそういう約束だ もの習いへ行けばおばあちゃんの知り合い が世話をしてくれるだろうその上で東京 から迎えが来れば2人の冒険旅行もなんと か落着ということになる 山本さんはそう考えて1人で頷い た交差点の手前30mほどで車が進まなく なったいつもの渋滞であっ たさあここで降りて止まっている車1台 ずつに聞いて ごらん15代はあるから奈方面へ行くのに 当たるかもしれないもしだめなら次の信号 の時まで待てばまたたくさん止まるから ね女の子は老女を促して歩道に 降り立ち心細な表情で山本さんを見つめ た小でありがとうと言っ た山本さんが手を振ると女の子は老女の手 を引いて前方へ歩き出しすぐ前の車から 訪ね始め たやがてずっと前方へ2人は遠ざかっ た辺りには夕闇が迫ってい たあの子は習いにおじいちゃんがいない ことをおばちゃんにどうやって説得させる の だろうそれがどんなになことか少しも 分かっていないの だ車が少しずつ進み出したそれで初めて フロントガラスの細かい水滴に気づい た雨が降り出していたの だ山本さんは弾かれたような思いで前方の 歩道を目で探った車が進むにつれて2人ず の姿が見えてき た女の子も老女も肩をすぼめて雨に濡れて い
た山本さんは助手席の窓を全開にして叫ん だ おいこっち だこっちに 来い気づいた女の子が山本さんの方を見 た娘には 電話で話せば分かってくれるだろういや娘 よりも相手の青年に話して やろうもしも分からないようだったら結婚 では断固反対してやる ぞ女の子が老女の手を引いて駆け寄ってき た信じられないという顔で山本さんを 見つめ た山本さんは笑いながら大声で言ったさあ 乗った乗ったおじさんがちゃんと最後まで 面倒を見てやるもう何にも心配はいらない ぞ
珍しく語尾のはっきりした朗読に出会えて気持ちいい。👍
内海隆一郎先生の作品は少し特別な日常を、見事な切り口でちょうど良い長さで表現して下さる。
朗読される方々の声もスーーと耳に入ってくる為、いつも楽しみにしていますが、今回の作品は続きを聴きたい心境に駆られました。
山本さんは目的地に到着した後、女の子の両親にまで会う羽目になるのか・・・。その展開とっても知りたいです。
このあと話はどうなるのでしょうか?おばあちゃんはおじいちゃんの死を把握して無いという事は認知症と推測されます。小説の世界だけど目下ヤキモキしてしてます。