【特集】<気候変動の今> 私たちの暮らし・未来はどう変わるのか?

【特集】<気候変動の今> 私たちの暮らし・未来はどう変わるのか?



出演:平田仁子(一般社団法人Climate Integrate代表理事)、江守正多(東京大学教授)

2026年9月30日(水)「Main Session」より。

*荻上チキさんは秋休みで、能條桃子さんがパーソナリティです。

発信型ニュース・プロジェクト「荻上チキ・Session」

★月~金曜日 17:00~20:00 TBSラジオで生放送

パーソナリティ:荻上チキ、日比麻音子

番組HP:荻上チキ・Session (https://www.tbsradio.jp/ss954/)

番組メールアドレス:ss954@tbs.co.jp (mailto:ss954@tbs.co.jp)

番組Xアカウント:@Session_1530 (https://x.com/Session_1530) ハッシュタグは #ss954

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15 comments
  1. 気候変動を疑うつもりは毛頭ないけれど、今叫ばれてる気候変動の危機と、自然に行われる氷期や間氷期などの自然な気候変動との違いがイマイチ分からない

    今回の放送ではスピード感の違いなどが指摘はされていたが、放っておいても温暖化は起こり得るし、仮に自然に温暖化や寒冷化が起きたとして人間に出来ることなんてほとんど無いんじゃないかとも思う⋯
    その辺りを教えて欲しいけれど、どこもそういったことは教えてくれないんだよなぁ⋯

  2. 懐疑論が声高に叫ばれる中で、左派の方々(あえてこうお呼びします)がどのように気候変動の脅威と現状をお話ししてくださるのかと思って視聴しましたが、正直あまりに薄い内容で唖然としました。「危機感を持っている」とおっしゃりながら、対策については「(再生可能エネルギーや原発を推進するのか否か等について )いろいろな意見がある。今後を見守っていきたい」とか、いったい何なのかと。小中学生の方々に向けてお話されているんでしょうか? そうでないなら「大人」向けにあらためてしっかりした議論をしていただければ幸いです。

  3. 昨年8月は、東大の江守正多が読売テレビにも出演。
    毎度毎度「温暖化対策をしないのは将来世代へのツケ」といいながら、具体策を出せない。

    しかし、CO2とは無関係に酷暑になったし、今年の9月は前年比3-4℃低下。

    そろそろ検証、説明を求めるべき。

    農業、健康被害も問題。

  4. 43:34 「メガソーラーは…あんま良くないから反対してください….だけど…いい再生可能エネルギーは増やしていかなきゃいけない…みたいな感じの….」
    って、いったい何なんでしょう? 「いい再生可能エネルギー」って… 😢 科学者の発言とは思えないんですが。
    荻上さんのご意見お聞きしたいです。

  5. まえがき___
     江守氏についてはまず、気温の移り変わりをどのように記録しているのかを解説してほしいと思います。
     他の動画で「まず基本的なことから、、」と言いながら、上記のことを説明していません。当日出演した方々で、どれだけこれを説明できるのでしょうか。宇沢弘文氏は著書「地球温暖化を考える」のなかで平均全地表気温の解説でその手法を説明しています。同書は1995年に第1刷が出されたものですが、この頃からは算出方法、地点、予測方法も変わっているはず。これを解説してほしい。これが前段ですが、以下縷々述べさせていただきます。

     個々の事例についてご指摘されたい方もおられると思いますが、一応一通りお目通しいただいたうえでご指摘いただければ幸いです。自分は「自説が間違っていたら死んじゃう病」にかかっているわけではないので、論拠ある妥当なご意見でしたら大いに参考にさせていただきたいと思っています。

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    1_____都市熱ヒートアイランド現象について
    2_____樹幹被覆率について
    3_____炭素回収、炭素排出権取引の世界的退潮傾向
    4_____排出権取引の不正事例
    5_____炭素回収は無理だと、社を挙げて意見するProPublica
    6_____日本の取り組み(スコープ3)について
    7_____亜酸化窒素について
    8_____旱魃水不足、森林火災、海面上昇 豪雨洪水 極地、氷河の溶解 生物多様性の損失など
    9_____自己紹介
    10____ご指摘歓迎の辞、ある種のかたへのおねがい、出演者様へ
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

  6. 1_____都市熱ヒートアイランド現象について
     自分が強く思うのが、都市熱ヒートアイランド現象と世界全体での気温上昇をごちゃ混ぜにしているのではないかということです。
     気象学・大気力学がご専門の近藤純正氏のウェブサイトなどでは、都市熱の影響を受けにくい室戸岬と東京の気温記録を比べるなど丁寧な検証がなされています。(お名前でウェブ検索、すぐ出てくると思います。)
      また、朝日新聞ウェブ記事で「千葉・勝浦、今夏も猛暑日なし 海風の恩恵、101年前の記録超えず」と言うものがあります。(2025年9月3日配信、原口晋也氏の記事)
     
     巷に溢れる気温上昇危機論は、毎日数百万台走る車や数百万台稼働するエアコンなどの直接排熱も無視しているのではないでしょうか。『「断熱」が日本を救う』を著した高橋真樹氏によれば、高機密断熱住宅は1、2時間冷房をかけると、夕刻までほぼ温度は変わらないそうです。しかし日本は長らく建築基準に断熱性能の項目がなかった国。断熱なければ熱交換の仕組みでエアコンの排熱が温度に加算されていきます。車でも同じです。
     
     江守氏はこういったことも考慮している(補正・チューニング)と言うかもしれませんが、それが妥当だとは思えません。だからこそまえがきのとおり説明が必要です。

  7. 2_____樹幹被覆率について
     樹幹被覆率について紹介されている2024.9.13東京新聞の押川惠理子氏の記事によれば、都市部で樹幹被覆率が30%になれば平均気温は0.4度下がるそうです。この平均気温の評価については江守氏の解説にお任せいたします。
     2026年5月24日付日本経済新聞では木陰を1割増やすと0.8度、3割増やすと1.5度の冷却効果があるとするカナダ・カルガリー大学の分析を紹介します。
     押川氏の記事によると東京23区で樹幹被覆率は2013年の9.2%から2022年には7.3%まで減った。これは東京ドーム256個分、12平方キロメートルだそうです。樹幹被覆率を上げることのほうが、原因と結果は確実であり(気温もおそらくは実測データでしょう)、温暖化対策としての政策実現可能性も高いと思うがどうでしょうか。

     樹幹被覆率の効果を想像しながら考えていただきたいのですが、日本においては近年から今現在でも原生林をなくしてきました。本多勝一氏の著した「アイヌ民族」(1993年第一刷発行)によれば、北海道は「つい100年ほど前までほぼ全域に近い面積が原生林だった」と前置きした上で1856年(安政三)の旅行記『協和私役』(窪田子蔵)やイサベラ=バードの『日本の未踏地』(1878年=明治11年の旅)などを引き合いに出しながら、「同じ道は現在二車線の舗装道路が通り、まわりは田んぼか牧場になっていて、原生林はもちろん、往時をしのぶような太い木は一本たりとも見えない。」と紹介します。
     また本多氏は『朝日新聞』1977年10月31日、12月19日各朝刊では屋久島の様子を解説します。
     〈かくて屋久島の原生林は、1957年策定の「第一次経営計画」にしたがって、山を丸ハダカにする「皆伐方式」、そのあとはスギを単一種とする短伐期人工林へと、様相を一変することになった。〉、〈その徹底的伐採のため営林署の事業所が開設され、小中学校を含めた集落さえ「栄えた」が、広い谷の山腹が丸ハダカにされて、1970年(昭和45年)には集落も廃墟となった。〉

     そして今現在はJR東海の南アルプスの貴重な原生林の破壊が進行中です。
     樹幹被覆率の効果を無視できないと思うのですが、いかがでしょうか。

  8. 3______炭素回収、炭素排出権取引の世界的退潮傾向
     人類への不正義と言う判断もできますが、事実として炭素排出権取引などは米国でも欧州でも退潮傾向にあるようです。

    【2024年2月、ブラックロック、ステート・ストリート、J.Pモルガン・アセット・マネジメントなどがClimate Action100+から脱退】
    【2024年11月、トランプ大統領が就任。パリ協定からの離脱を宣言】、
    【2025年3月、三井住友FG、三菱UFJ、東京海上など日本の銀行、保険会社もNZBA、NZIAなどから相次ぎ脱退。】、
    【2025年7月23日付ロイター 英石油大手シェルなど世界のエネルギー大手企業のグループは、温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする戦略を明確に定める取り組みを断念】
    【2025年5月20日付ESGtoday発 仏マクロン大統領、独メルツ首相がサステナビリティ規制撤廃を要求】

    ※Climate Action 100+は、2017年に発足した投資家主導のイニシアティブであり、温室効果ガス(GHG)排出量の多い企業を対象として、気候変動にかかるガバナンスの改善、バリューチェーンを通じたGHG排出量削減のための取組み、及び気候関連財務情報開示の強化(これらを“The Three Asks”と称している)を中心に据えたエンゲージメントを実施している。(後略)(有斐閣Onlineより)

    ※ESG= 環境・社会・企業統治(英語:environmental、social、and governance、略:ESG)は、環境問題、社会問題、およびコーポレートガバナンスを優先する投資原則である[1]。ESGへの配慮を伴う投資は、「責任ある投資」、あるいはより積極的なケースでは「インパクト投資」と呼ばれることもある[1]。この用語は、企業の社会的責任や持続可能性と互換的に使用されることも多いが[2]、これらの概念は焦点、起源、適用範囲が異なる[3]。
    ※NZAB:Net-Zero Banking Allianceの略称で、2050年までに投融資ポートフォリオにおけるカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)を目指す銀行間の国際的な連合のこと。2021年4月に発足した。(野村證券ウェブサイトより)

    ※NZIAは、2021年にAXA、Allianz、Scorなどの保険・再保険会社8社が創設メンバーとして発足し、2023年初頭までに世界の保険料総額の約15%を占める約30社のメンバーに成長した。署名企業には、引受基準やガイドライン、顧客とのエンゲージメント、低排出ガス・ゼロエミッション技術や自然ベースのソリューションに関する保険ソリューションの開発などの分野を通じて、2050年までに保険・再保険引受ポートフォリオをGHG排出量ネット・ゼロに移行させることが約束された。(ESG JournalWebサイトより抜粋)

  9. 4_____排出権取引の不正事例
     排出権取引は不正が複数指摘されています。自国外の排出権を購入して、その効果を継続的に評価確認なんてできるのでしょうか。↓

     【2023年1月18日付ガーディアン 】世界最大のボランテリークレジット認証機関であるVerraの炭素クレジットの90%以上が無価値であることが判明。ディズニー、シェル、グッチなどの大企業が使用している炭素オフセットはほとんど価値がなく、地球温暖化を悪化させる可能性がある。
     【2024年6月11日Mongabay】 2024年6月、ブラジル連邦捜査局から詐欺の捜査を受けてVerraはブラジル・アマゾンでの熱帯雨林プロジェクトにかかわるクレジット発行を停止した。Verraの認証を受けたプロジェクトからは5人の逮捕者もでた。
     【2023年9月15日付BREITBIRT:JOHN HAYWARD記者 国連気候クレジット制度を利用して大量の炭素排出を隠す】報告書によれば、国連が実際に行っていることは、膨大な排出量を相殺するために、数百万ドル相当の「カーボンクレジット」を購入することです。国連の排出量を「相殺」しているとされるプロジェクトの中には、実際には環境や人間の健康さえも損なっているものがあります。
     【※GIGAZINE2022年11月19日付 気候変動の対策としての大規模な植林は森林の成長につながらないという研究結果】 大規模な植林活動が気候変動の対策として世界中の政府によって推進されていますが、これらのプロジェクトの多くは考えが浅く、管理が不十分であるため森林をまったく成長させることができていないという研究論文が発表されました。
    【※GIGAZINE2023年8月29日付 森林保護の過大評価で温室効果ガス排出権を売買する「カーボンクレジット」が過剰に生み出されているという指摘】

  10. 5_____炭素回収は無理だと、社を挙げて意見するPro Publica

     番組内で平田氏は「化石燃料を使いながら、CO2を地中に埋めるとか」とおっしゃいますが(25分58秒ごろ)、果たしてそれの実現可能性はいかがでしょうか。
     米国のニュースサイトPro Publicaで検索窓に「IPCC」と打ち込んで検索すると、2つ記事が出てきます(2026年10月4日現在)。2026年度の記事は、同社の意見記事で、社を挙げて炭素回収は無理だと解説しています。近頃はブラウザでも翻訳機能が充実して外国語の記事も読みやすいのでご参考にしやすいと思います。

     能条氏は「今カーボンニュートラルがというのがまず必要なだ、ところだというふうに思います、希望を見出すためにも」(23分52秒頃)とおっしゃっていますが、ぜひ上記の記事をご一読いただき「希望を見いだ」せるのか考えていただきたいと思います。

     達成 ”不可能” な目標に向かって突き進む様は、「時間が経てばどんどん目標が遠ざかっていく核燃料サイクル」、「米国は移転などしないと言っているのに突き進む辺野古新基地建設」に似ているのではないでしょうか。
     平田氏は「イノベーションはまだ実用化していない技術なので、やってみないとわからない、という賭けに出ています」という発言もされています(26分12秒頃)。実現可能性のない、やぶれかぶれの賭けに個人で挑むならともかくも、公金や制度まで弄って無関係の人間まで巻き込むのはやめてほしいというのが自分の感想です。

     また、仮にIPCCの計算が正しいと言う前提でかんがえて、日本政府の計画通りに2050年に炭素排出100%削減が進んでも、気温低下させる効果は0.006度と言う指摘があります。こちらもご参考までに。↓

    【IPCCは2兆トンのCO2排出の結果1℃気温が上昇したとしている。この推計に基づき気計算すると、日本のCO2排出は年間10億トン→ 10億トン×25年÷2 = 125億トン = 0.125兆トンの削減 = 目標に向けて一直線に減少してゆくとして、気温低下は0.0125÷2 = 0.006度。(参考・ユーチューブチャンネル、杉 山大志_キ ヤノングローバル戦略研究所「猛暑が厳しいのは温暖化のせいではない」より)】

  11. 6______日本の取り組み(スコープ3)について

     [米国SEC証券取引委員会:企業へのスコープ3義務化などを盛り込んだ「気候情報開示規則」が2025年3月に廃案となった」→
     日本SSBJサステナビリティ基準委員会:ISSB基準を受け、2026年度から上場企業に対してスコープ3義務化を決定済み。 = 米国、欧州がやめる中で、日本だけが上場企業にスコープ3開示を義務化。ハシゴを外された状態。

     2025年3月5日付日本経済新聞は「英国やカナダなども同様の基準を整備しており、日本も足並みがそろう。」と報じたが、これは誤り。

     ISSBの「IFRS S2 Climate-related Disclosures」のB29では、「企業が温室効果ガス排出量の測定に使用することを要求される排出係数を規定していない、とされている。(2024年3月8日付国際環境経済研究所)
     どの原単位を使うかは任意であり、同じ品目でも排出係数によって桁違いになる。世界で足並みは揃っていないし、投資家は企業比較などできない。
    【スコープ3排出量とは: サプライチェーン排出量 = Scope1排出量 + Scope2排出量 + Scope3排出量】 自社の燃料の燃焼はScope1、自社の電気の使用はScope2、これ以外の、上流(仕入れ)の原材料、資本材、廃棄物、輸送、リース資産、人員の通勤、出張。下流(製品や廃棄物)の製品の使用、製品の廃棄、輸送配送、製品の加工、リース資産、フランチャイズ、投資。これらの排出量がScope3。

    【スコープ3の算出方法は2つある】:〈a〉関係する取引先から排出量の提供を受ける。(一次データの集計は事実上不可能):〈b〉「排出量=活動量×排出原単位」という計算式を用いる方法(活動量を自社で収集し、排出原単位は、外部データベースや取引先から得る。算出可能なのはこちらの推定値)。

    【活動量×排出原単位】「排出量」は事業者の活動規模に関する量。社内の各種データや文献データ、業界平均データ、製品の設計値等から収集する。
    「排出原単位」はたとえば電気1kwh使用あたりのCO2排出量とか、貨物の輸送量1トンキロあたりのCO2排出量とか、廃棄物の焼却1tあたりのCO2排出量など、既存のデータベースを利用するが、ISSBは「自社の活動を最もよく表す基準を使用しなさい」としているだけで、どの基準を使うべきとは規定していない。

     排出係数は世の中にたくさんあり、データベースによっては桁が違うようなものもある。どのデータベースを使用するかによって推計するCO2排出量は変わってくる。世界で足並みは揃っていないし、企業間の比較判断としてScope3は使えない。

     ↑日本はこのようないい加減な物差しで企業の炭素排出を計測しようとしています。

    (参考・ユーチューブチャンネル・杉山大志_キヤノングローバル戦略研究所「米国はESG違法 欧州も脱炭素骨抜きー逃げ遅れる日本」の回出演の藤枝一也氏によるプレゼン資料)

  12. 7______亜酸化窒素について

     宇沢弘文氏の著書「地球温暖化を考える」では温室効果ガスの原因として亜酸化窒素を挙げています。その排出量は全体の4%ほど、温室効果は6%としています。参考にしているのはIPCCの第一次報告でしょうか、それを紹介しています。(Houghton.et at al.1990)
     一方、2011に広瀬隆氏が著した「二酸化炭素温暖化説の崩壊」によるところでは、IPCC第四時報告書でも亜酸化窒素の効果を6%ほど、としているようです。

     この亜酸化窒素はどういうものなのでしょうか。宇沢氏は著書で温室効果は二酸化炭素の230倍程度、大気中の寿命は150年と紹介します。(同書19ページ)一方窒素肥料については「窒素ガスとして大気中に放出してしまいます」、米国や欧州については「窒素肥料によって地下水が汚染されて、深刻な問題を起こしていますが、日本では、水田耕作が中心ですので、このような心配は要りません」とも書いています(同書63ページ)。

     本当でしょうか。

     宇沢氏が書いた深刻な問題というのの一つはブルーベビー症という健康被害でしょう。
     YouTubeチャンネル「ヘルスアカデミー公式YTチャンネル」【衝撃】発達障害リスクも?海外で禁止の農薬を使い続ける日本農業の闇と、子どもの命を守る「菌ちゃん農法」に出演した、「食品の裏側」などの著作で知られる安倍司氏はブルーベビー症について解説します。

    〈硝酸態窒素はブルベビー症を発症する。ブルーベビー症(メトヘモグロビン結晶)は飲食物に硝酸態窒素が高濃度含まれたものを摂取し、通常は酸素を運ぶヘモグロビンが、酸素を運べないメトヘモグロビンに変化してしまう病気〉

    〈アメリカでほうれん草をソテーして乳幼児に与えたところ、体が真っ青になった。だからブルーベビー症といわれた。ヘモグロビンが酸素を運ぶときに、(乱暴な言い方をすると)硝酸塩が酸素を横取りしてしまう。だから酸欠状態になった。それで硝酸態を考えようとなった。〉

     同動画内では日本でも問題になったことについて安倍氏も触れておられますが、元農水官僚であった鈴木宣弘氏も日本の水の汚染について言及しています。

     ※日本では、牛が硝酸態窒素の多い牧草を食べ、「ポックリ病」を発症し、年間100頭程度死亡しているという(西尾道徳『農業と環境汚染』農山漁村文化協会、二〇〇五年)。

     ※日本でも、死亡事故には至らなかったが、硝酸態窒素濃度の高い井戸水を沸かして溶いた粉ミルクで乳児が重度の酸欠症状に陥った例が報告されている(田中淳子ほか「井戸水が原因で高度のメトヘモグロビン血症を呈した1新生児例」『小児科臨床』49、1996年)。

     ※この硝酸態窒素は、人体に入ると、還元されて亜硝酸態窒素に変わり、メトヘモグロビン血症を発症する原因となる可能性や、ニトロソ化合物という発がん性物質に変化する可能性が指摘されている。

     宇沢氏が米国や欧州などで「深刻な問題を引き起こし」たとしていますが、その後に対策がなされたのでしょう。上記動画内で安倍司氏は言います。

     〈日本は基準はないが、ヨーロッパの硝酸態/亜硝酸態窒素検査キットの基準だと日本の野菜は全部アウト。だが、特に日本人は窒素肥料が大好き。〉
     〈窒素、例えば硫酸アンモニウムとかあるけど、それは虫のサプリメント。窒素したら絶対虫さんがどっかから来る。だから農薬とセットになる。農薬とタネというのは世界的にはセット販売。〉

     同動画内で、吉田俊道氏も解説します。

    〈化学肥料は作るときに二酸化炭素出るし、(略)雨が降ると(肥料の成分が)どんどん海川に流れていく。利用しているのは半分、良くて7割。悪いと3割しか利用していない。〉

    〈(肥料の成分が)野菜に行くのではなく海川に行って富栄養化して、川は汚れ、海は汚れ、そしてそれは亜酸化窒素として気体となって出てくる。これが二酸化炭素の300倍の温室効果があるといわれている。〉

    〈1つは野菜に消化しきれないまま海川に流れていって富栄養化する。窒素とリンが日本の河川は多い。もう一つは過度の窒素肥料やるから、野菜が窒素からアミノ酸(タンパク質)を作るまで行かないうちに収穫するんで、野菜に硝酸態・亜硝酸態窒素のまま残っている。〉

     窒素肥料による健康被害(ブルーベビー症、ニトロソアミンの発がん性)についても言及されています。また富栄養化した海で赤潮などが発生します。
     有機栽培を推奨する考えがある程度普及した現在では、健康問題と合わせて窒素肥料の削減をうったえるほうが、いつ実現するか全く見えない炭素削減・回収よりもずっと実現性が高いはずですが、気候危機を訴えることには執心する方々もこれらにはあまり考えが及んでいないように思われます。

     農業に触れたついでに、江守氏は、気候変動に作物の順応がついていかない、といいながらもそれについて詳しく触れない動画を以前拝見しました。江守氏が考える作物、農業はどんなものでしょうか。
     F1種と呼ばれる作物が普及してきたのは、おっさん世代から見ると近年であり、近頃はそれも「雄性不稔」などというものがでてきているようです。こう言った作物では順応は難しいでしょう。
     しかし固定品種と言われる、各地域で代々タネを採り栽培してきたものは、場所をかえて初めて栽培されても順応は早いです。(参考・野口勲著「タネが危ない」)しかし、江守氏はそう言った知識もないのでしょうか。いずれにしても話が雑すぎます。

     また、キヤノングローバル戦略研究所の杉山大志氏はCO2の増加に伴い、農作物は収量を増やしてきたと解説する動画を公開されていますが、これも雑な話です。
     農作物の収量が増えてきたのはCO2の影響もあるかもしれませんが、F1種の開発、化学肥料の普及、機械化の普及などでしょう。例えば大根などはF1だと3ヶ月で収穫できますが、固定品種は6ヶ月かかります。こんなことは固定品種を意図的に選んで栽培している人間では誰でも知っているでしょう。

     この章で江守氏、杉山氏の言論に触れたので、最後に両氏の原発への態度について少し意見を述べさせてください。
     両氏は気候変動に関するユーチューブ動画で検索すると、気候変動温暖化に対する姿勢はそれぞれながら一番発信をしている、もしくはされている方々だとお見受けします。しかしながら両氏共に原発を容認されているようです。

     原発は発生する熱エネルギーの1/3しか発電に使えず、残りの2/3の熱エネルギを捨てるために復水器で海水を温めます。小出裕章氏は著書「隠される原子力核の真実」のなかで、100万キロワットの原子力発電所の場合、一秒間に70トンの海水の温度を7度あげると説明しています。両氏ともこのことについてどう考えているのでしょうか。同書内で小出氏は「地球上の二酸化炭素の大部分は海水に溶けており、海水を温めれば、二酸化炭素が大気中に出てきます。」「この効果を考慮に入れただけで、原子力はあらゆる自然エネルギーに比べて二酸化炭素の放出量が多くなります。」と断じています。

  13. 8_____旱魃水不足、森林火災、海面上昇 豪雨洪水 極地、氷河の溶解 生物多様性の損失など

    旱魃水不足について_____氷河が消えると、大河の水量が減り、水が不足するという想像して危機を訴えているのかと思いますが、たまたま検索して引っかかった「信州大学先鋭領域融合研究群_山岳科学研究拠点」というウェブサイトの2016年8月5日付の『地球環境変動の「窓」:ヒマラヤの氷河』<地形地質・防災研究部門:朝日克彦>氏の記事によれば、今から7000年前の縄文文時代の今よりも気温が高かった一時期でもエベレストから氷河がなくなった痕跡はないそうです。また、水理学のモデルによるとガンジス川の水量に占める氷河の溶解水の割合は3%だそうです。
     江守氏は温度が高くなると水蒸気を多く含めるようになる、とおっしゃられます。水分を多く含んだ空気からは多く雨が降ると説明します(34分51秒頃)。自分は海上で高い海水温による水分を多く含む雨雲の発生などに、⑥の最後に触れた原発の温排水は影響大きいのではないかと想像します。また乾燥したところでは地表から水分(水蒸気)を奪うと説明されていました。これも数字などを示さずにおっしゃっているので、その評価ができません。
     

    森林火災について_____広瀬隆氏が著作「二酸化炭素温暖化説の崩壊」のなかで、「1988年のイエローストーン・ワイルドファイアでは、158万エーカーという消失面積を記録して温暖化のせいだと騒がれたが、」と前置きしながら、300万エーカーが焼失したという1910年のグレート・アイダホ・ワイルドファイアや、数百万エーカーが焼失した1894年のウィスコンシン・ワイルドファイア、378万エーカーが焼失した1871年のペシュティゴ・ワイルドファイアを紹介しています。
     また赤祖父俊一氏は著書「正しく知る地球温暖化」のなかで北極圏では森林火災は自然の輪廻の一部であるとした上で、「日本で時々報じられているような温暖化による異常気象ではない」と断じています。同書によればアラスカでは年によっては四国ほどの面積で森林が燃えるが自然の輪廻だから放置される、シベリアではもっと広範囲にわたって燃える年があるようだ、とのことです。

    海面上昇について_____1988年にIPCCが設立された時、初代議長に就任したバート・ボリンは、「2020年には、ロンドンもニューヨークも水没し、北極圏のツンドラ帯だったアラスカやシベリアで家畜を飼えるようになる」と予言したそうです。最近の2023年7月のアントニオ・グテーレス国連事務総長の「地球沸騰化」発言もそうですが、科学的知見に基づいた発言というよりは煽り文句で大衆を囃すわけです。まっとうな科学的知見を持つであろう気候危機論者がこう言った言動を否定しないのだろうかとおもうのですが、あまりそういう風景は見かけません。
     前出の広瀬氏はその著書内で、そもそも地球の表面(プレート)は動いているので、人間が海面水位の絶対値を測定することはできない、と前置きしながら、IPCCが示した100年後の海水面予測を伝えています。第二次報告では最大94センチ、2001年第三次報告では最大88センチ、2007年第四次報告では最大59センチ、最低の予測は18センチだそうです。今は第七次報告が準備されているそうですが、その予測はどうなっているのでしょうか。

    極地氷河の溶解について______江守氏は番組内で「南極の氷もへりはじめているのだけれど」(18分48秒ごろ)と述べておられるが、それはいつからのことでしょうか。広瀬氏の「二酸化炭素温暖化説の崩壊」によればIPCC第四次評価報告書よれば南極の氷は増えたそうです。これは広瀬氏の間違いなのでしょうか。広瀬氏は「例年の二倍の厚さの氷と積雪に進路を阻まれ、南極観測船「しらせ」が昭和基地にようやく接岸できたのは、2010年1月10日の最近の出来事である。」(90ページ)と書いています。
     またネパールでの事故を引き合いに氷河の後退と二酸化炭素による温暖化を結びつけている言論がよく見られますが、本当でしょうか。
     赤祖父俊一氏は「正しく知る地球温暖化」の中で、ご自身の研究成果を示しながら、炭酸ガスが急速に増加し始めたのは1946年ごろとしています(53ページ)。その上で、アラスカはアンカレッジ近くにあるポーテッジ氷河は1900年頃から、グリーンランドのヤコブハーベン氷河は1850頃から、ニュージーランドやヒマラヤ氷河は1800年頃から後退していると論じておられます。(同書101ページ)

    生物多様性について__
     江守氏は、「温度が変わることによって、その生き物の、種の生息適地が変わっていきます」と前置きし、虫と鳥などの食物連鎖の関係や、環境による移動、個体数の減少などについて論じています。しかし、こう言ったことは気候変動以外でも起こります。虫の個体数の減少でしたら農薬の方が効果、というか害は大きいでしょう。長野県や山梨県では松枯れ対策でネオニコチノイド薬剤を空中散布しているようです(意味がない上害が大きい)。また環境変化による移動によって岩魚の陸封と言った現象もあったわけです。
     気温の変化の速度の評価ですが、赤祖父俊一氏は現在の間氷期の気温ピークは約1万年前であり、その間に現在よりも暖かい期間が数千年の間に何度もあった。現在の気温が大体中世の温暖期と同じだったとすると、、現在の間氷期中、現在の気温よりも激しく変化した、としています。(正しく知る地球温暖化、100ページ)「しかも、現在より気温は高くても、人類は生存できたのであり、多くの動物(シロクマも含む)も生きてきたのである(同書同ページ)」。と述べておられます。
     以前セッションでウナギについて触れた回がありました。白亜紀に祖先を持つうなぎもそういった変動をこえて生き抜いてきたわけです。昨今のウナギの減少は、言い訳程度の玩具のような魚道しか整備しない河川行政によるものが大きいわけです。

  14. 9_____自己紹介

     二酸化炭素地球温暖化説に懐疑的な態度を示すと、感情的な反応をされる方がおられます。自分のことを「トランプのようなやつ」だの、「ガンガン車乗り回して電気使い放題で問題なし」というような人間だと誤解されると心外ですので自己紹介をさせていただきます。

     自分は自家用車もバイクも所有しておりません。車乗る時は親の病院送り迎えと旅行の時にレンタカー使うだけ。何らかの形で都市部の自家用車の使用規制が必要だと思っています。無駄な電気が嫌いだからトイレのウォシュレットもコンセント抜いて使っていません。

     乾燥機も使わない。PCなどの待機電力も発生したら嫌だから、スリープ機能など使わず必ず電源切ってコンセントも抜いています。就寝時にコンセントが刺さっているのは洗濯機冷蔵庫電子レンジのみです。(暑い時期は扇風機を使っています)

     無駄な消費などを抑制する仕組みのために電気やガソリンなどは累進料金制がいいと思っています(カーボンプライスなどもこう言う仕組がいいでしょう)。生活に絶対必要な所得には課税しない所得控除なんていう制度もありますが、生活に不必要な過度な電力使用には相応の負担を求めようという考えです。

     また科学者としてだけではなく、在日の方々への態度などでも小出裕章氏のことを尊敬しています。そんな小出氏の真似をしてなるべくエレベーターもエスカレーターも使わないようにし、小出氏は自転車ですが、自分は徒歩で2駅とかリュック担いで歩いて米や野菜、肥料など買い物に行きます。
     親を車椅子にのせて公共交通機関で移動する、という行為をした時に、五体満足なのにエレベーターに嬉々として乗り込む人々が多いのに驚きました。普段から体を使わなければ、使えなくなってしまうのではないだろうかと思っています。

     庭で畑をやり、家の生ごみは皆畝の間に埋めています。我が家から出す「燃やすゴミ」は月三回(大袋で都度1つ)ほどとなっています。こういったことによりごみ焼却のエネルギー使用量は、当家に限れば大分少なくなっているのではと自負しています。実際に住んでいる自治体では、生ごみに含まれる水分云々説明をしながらコンポスト使用を勧めていました。

     自分は今年、去年と夏の間自宅でエアコンの冷房機能(諸事情により暖房は使う)を使っておりません。数年遡っても使ったのは数日だけ。なぜそれができるかというと、自宅は雑木林を背負っていて、家の周りは草木、植木や畑。だから「樹幹被覆率」の効果を毎年実感しています。

     住まいはTBSラジオの電波の入る関東のそれなりの大きさの自治体で、最寄駅から徒歩5分。周りは住宅街。

      自分はそんな人間です。

     過去久米宏氏のラジオ番組「ラジオなんですけど」を聞いていて、台所の「ディスポーザー」なるものがあるのを知ってびっくりしました。台所シンクの掃除くらいも手間と思うのか、それとも勝手に「便利機能」にならされてしまうのでしょうか。(皆様使ってますか?自分はみたことがないんです)
     先般コロナ騒ぎの時に、スーパーや病院などの入り口でアルコール消毒用のスプレーが設置され、みな手に噴霧する景色が見られました。自分が強く違和感を持ったのが、雨の日に傘を畳んだ濡れた手に一生懸命噴霧していることです。
     味噌やらっきょう漬け、梅干し作りなどでアルコール消毒した経験がある方がおわかりでしょうが全く意味がありません。その風景をみながら今は自宅で味噌作りする人は絶滅危惧種なのかなと思いました。厚労省では手洗いの有用性をウェブサイトに掲載していました。流水による手洗いの方がよっぽど効果があります。しかし、愚かな行動に物申すメディアがないために必要な人のアルコールが不足するという事態に陥りました。
     また、夏のかんかん照りの暑い日にアスファルト路面の住宅街を歩き、もう人のすまなくなったであろう住居の伸び茂った庭木の木陰に入った途端、「ひやり」と感じた経験があります。こう言った経験からも樹幹被覆率の大切さを感じるわけです。しかし普段から自動車で移動している人はこう言った経験をできないのです。

     自分は料理が好きで、あわせて片付けも大好きです。魚を捌いた後はシンクの洗い方も気を使いますし、内臓ゴミは人によってはただの廃棄物でしょうが前述したように畑の肥料として使います。自分は捌く魚が何を食っていたのか、肝はこの季節ちいさいなとか、マイクロプラスチックのことを考えて食す機会はへりましたが、アンコウなどは胃袋を裏返して洗い食します。
     台所の排水口の洗浄まで機械任せにして嫌う人間からは美味しい料理は期待できないのではと想像します。
     同じように、若い時期にお受験勉強に忙しかったためか野山で遊ぶ機会もなかったのか、農業に関しても知見があるように思えず、虫や生態系にも知見があるようにはおもえない人物が気候危機に絡めてこれを語るわけです。こういった言動に強い違和感をもちます。

  15. 10____ご指摘歓迎の辞、ある種のかたへのおねがい、出演者様へ

    ご指摘歓迎_____まえがきにも挙げさせていただいたとおり、自分は「自説が間違っていたら死んじゃう病」にかかっているわけではないので、論拠ある妥当なご指摘でしたら大いに参考にさせていただきたいと思っています。また、「反論文」というようなものでしたらご自身で項目をたてて述べていただければと存じます。単純にその方が自分も見やすいです。

    ある種のかたがたへのおねがい______二酸化炭素温暖化説への疑義、気候危機論への疑義を提示すると感情的になっているのか、論にもならない言葉を投げかけて来られる方も時々いらっしゃいます。こういったかたには、ぜひご自身が普段どういうエネルギー消費生活を送っているのか開陳していただきたいと存じます。単純な興味として上記のような行動をする方の生活を知りたいです。

    ご出演者様へ_____江守氏は別の動画でIPCCの報告の確実性を示すためか「ノーベル賞」を引き合いに出します。またセッションの別の放送回の時の能条氏が「偉い学者がみな」というような言動をしていたと記憶しています。
     こういった言動も、ある種の人々には何かしらの効果をもたらすのかもしれません。
     しかし、シカゴ大学へ在籍時はジョセフ・スティグリッツやジョージ・アカロフが教えをこい、ノーベル賞の可能性が高いと言われながら、マクナマラ国防長官の発言をうけて同大学を去った宇沢浩文氏。新聞記者としてながらくつとめ、「笹川良一氏にノーベル賞を」という一文でクソとションベンに人物と賞を見立てて論じる文章を発表する本多勝一氏。こういった人物の言動に感銘を受け、影響を受けた自分にとっては何の効果もありません。
    (参考|佐々木実著「市場と権力」318ページ|本多勝一著「殺される側の論理」281ページ)
     むしろ権威をふりかざす言により「かの人物は権威などに弱く盲信してしまう傾向があるのだろうな」と想像します。前書きで述べたような基本的な説明を省くこともそうですが、こういった言動がかえって信頼感を損なっていることに気づけないのでしょうか。

     平田氏は「こんなに自分が体感して、恐ろしいと感じることが目の前に起こって、、、」(23分05秒ごろ)とおっしゃいますが、9の自己紹介で述べた通り、自分は樹幹被覆率の効果を毎年感じております。つまり同じ日本で違う景色を見ているわけです。平田氏はどういった生活をしているのでしょうか。

    「のんびりしている暇はないし、攻めた対策を取らないと」(26分16秒ごろ)という発言の割には一番政治的に動かしやすいであろう、2の樹幹被覆率や7の亜酸化窒素には触れません。本日の出演者様にはこういった知見がないのかもしれません。

    「燃料をアンモニアや水素に代替」(26分46秒)との発言ですが、本当に危機感があるのなら炭素回収と同じく達成しにくい崇高な目的も大事ですが、それと並行して、達成しやすい上記の目標も実行してしかるべきなのではないでしょうか。

     番組内で紹介された聴取者からのメールでは、温暖化気候危機対策への危機感が世代間のギャップや、企業意思決定層の理解不足などを訴える方がいらっしゃいました。日本では市民が企業に社会的責任としての環境保全を求めるの機運が欧州に比べて盛んではないが、それは教育の不足ではないか、とも訴えておられました。(28分56秒ごろ)

     江守氏はこれらの原因の一つとしてネット中心の情報収集をあげていましたが、自分は江守氏や平田氏のような気候変動危機論者が、③で述べたようなNZBA、NZIAなどから脱退した三井住友FG、三菱UFJ、東京海上など企業を批判しないことが大きな原因だと思います。番組内で日本国内でも気候変動訴訟があるとしながらも企業名は出しません(31分23秒頃)。企業に社会的責任として環境保全を求める機運を育む機会を、出演者の方々は意図してか否か、逃しているわけです。

     人類がここまで地球で繁栄するには実に絶妙な環境があるから成り立つのと同じように、「自然というのは、種と種の絶妙なコンビネーションでできていた(36分ごろの江守氏の言葉)」のと同じように、気候変動危機論者が食べていくには、絶妙な舌の加減が求められるのかもしれません。

    江守氏は、IPCCがヒマラヤ氷河の溶解時期を2035年と2350年に取り違えた事象について説明するウェブ発表の文章で、時間的制約から検証を打ち切ったことを述べているように、自分にも時間的制約があるため、赤祖父氏が論じている「ホッケースティック」に1400年ごろから始まった小氷河期が示されていないことなどは提示しませんでした(「正しく知る地球温暖化」94ページ)。これなども機会あらば開陳できるかもしれません。

     自分はその論者がどういう言動しているかということも大いに参考にします。前出の宇沢弘文氏は成田空港闘争の現場、三里塚へも足を運んで当事者と対話をしていたそうです。当時の成田闘争の現場がどういうものだったかは、尾瀬あきら氏の漫画作品「僕の村の話」などが参考になるかもしれません。
     中村哲氏はアフガニスタンの地で治水工事をする際、自ら重機を操縦し、土嚢を担いだそうです。それを問われると、自分がやらなければ後のものもついて来ないと説明したとか。
     前述しましたが、小出裕章氏は移動に自転車を使い、エレベーターもエスカレーターも基本使わないそうです。これが全体の電力消費抑制に対して ”蟷螂の斧” であろうことは小出氏はもとより承知でしょう。でも行動で示すわけです。

     翻ってこの放送回の出演者さまはどうでしょうか。江守氏は別の動画で、温暖化否定論者に対しどう説得するかと問われ、「気候変動対策は、がまんではない」と答えていたと記憶していますが、普段のご自身のエネルギー消費にたいするいいわけなのでしょうか。こういう人物にはご自身でのエネルギー消費活動もあわせてぜひ開陳していただきたいと思います。
     前述の通り、平田氏は「イノベーションはまだ実用化していない技術なので、やってみないとわからない、という賭けに出ています」と発言されています(26分12秒頃)。
     こういった言動をする人物は信用に足るのでしょうか。ハメルーンの笛吹きよろしく「賭け」で人類をどういった未来に連れていこうとしているのでしょうか。
     
     佐高信氏は著書「わが筆禍史」のなかで〈あえて言えば、一度も訴えられたことのない物書きなど、私は信用していない。〉と書いています(同書18ページ)。
     前述のように、番組出演されている気候変動危機論者の方々は、炭素排出削減をうったえながらその枠組みから逸脱したり、訴訟対象になっている企業の名は出さないわけです。こういった論者からは、佐高氏の覚悟のようなものは微塵も感じられません。

     長文にお付き合いいただいた方々につきましては、本当にありがとう存じます。
     最後に当ラジオ番組内で「哲学対話」なるコーナーを持ち、炭素排出削減の枠組みから外れる企業を批判せず、もっと確実に進む可能性の高い対策には触れない能条氏には、行動の人であった、自分も尊敬するマルコムX氏のことばを送りたいと思います。

    _____「あなたが何らかの哲学や福音を信じているなら、どんな種類のものでも今すぐ役に立たない哲学なら捨ててしまえ」(ワーナーブラザーズ/ マーヴィン・ワース・プロダクション制作「ドキュメンタリー_マルコムX)より

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