カギを握る“メイド・イン・ジャパン” 独自“核融合発電”米国の最前線【サタデーステーション】(2026年8月29日)

カギを握る“メイド・イン・ジャパン” 独自“核融合発電”米国の最前線【サタデーステーション】(2026年8月29日)



山口豊アナウンサー:
「未来を変えるかもしれない研究についてお伝えしたいと思います。それが太陽です。太陽と同じような仕組みでエネルギーを生み出そう。いわば地上に太陽をつくろう!という研究がアメリカで急ピッチで進められているんです」

高島彩キャスター:
「そんなことが出来るんですか?」

山口豊アナウンサー:
「それを目指しているのが『核融合』なんです。わずか1gの燃料で石油8tに相当するエネルギーを生み出すことができる。温室効果ガスは出ない。まさに次世代のエネルギーの中心になるとされているんです。ただし、核といいますと原発を思い浮かべる方が多いかもしれません。原発は分裂することによってエネルギーを生み出しますが、核融合はくっつくことによってエネルギーを生み出す、仕組みが全く違うんです。そして、今この核融合で、日本の企業の技術によってアメリカで大きな前進が見られているんです。その最先端を調査員として研究してきました。日本のテレビカメラが入るのは初めてです」(8月29日OA「サタデーステーション」)

■“核融合発電”米国の最前線 日本のテレビ初取材

アメリカ・ボストンの郊外に、核融合発電の研究開発で、世界の最先端を走る会社があります。

山口豊アナウンサー(米ボストン6月)
「こちらがこの施設の中枢部分“トカマク・ホール”です。「来年の実証運転開始」に向け、様々なものが作られています」

アルファベットのDの形をしたものが並んでいます。そして、丸みを帯びた銀色に輝く物体・・ここでは、“核融合を実験する炉”を作っています。完成すると、このような形に。中はどうなっているのでしょうか。アルファベットのDの形をしたこの部分は、強力な磁石です。中心部を取り囲むように、たくさん配置されています。そして、青白く輝く中心部が核融合反応が起こる場所です。開発の責任者に話をききました。

CFS(コモンウェルス・フュージョン・システムズ)共同創業者 ブランドン・ソーボム氏(米ボストン)
「核融合炉の中は、1億度というとても高い温度になるんです」

太陽の表面温度や、地球の中心核の温度でも5000度から6000度とされるなか、1億度とは、その2万倍に近い想像を絶する温度です。

「核融合」とは、水素のような“軽い” 原子核同士がくっついて、“より重い”原子核に変わることです。その時に、とても大きなエネルギーが出るのです。地球上で核融合を起こすには、1億度という超高温が必要になるのです。“1億度を作り出して維持する”こと自体が難しいので、燃料の注入や加熱を止めると、すぐに反応が停止します。原発が利用する「核分裂の連鎖反応」のような、暴走の恐れがないという、大きなメリットがあります。

そして「核融合発電」とは、新たな技術で作り出したエネルギーを熱に変え、水を沸騰させ蒸気を作り、タービンを回して発電する、次世代の発電方法です。

CFS(コモンウェルス・フュージョン・システムズ)共同創業者 ブランドン・ソーボム氏(米ボストン)
「難しいのは、“1億度の燃料”が壁などに触れないようにすることなんです」

その代表的な方法が、強力な磁力を使って、超高温の物質を宙に浮かせ“磁場で閉じ込める”「トカマク方式」と呼ばれるものです。日本も参加する国際プロジェクト、イーター(ITER)も同じ方式で、フランスに巨大な実験施設を建設中です。13年後の2039年に、実際の燃料を使った本格的な実験を始める予定です。

■カギを握る“メイド・イン・ジャパン”
こちらの会社では、イーターより10年ほど早い開発を目指しています。

CFS(コモンウェルス・フュージョン・システムズ)共同創業者 ブランドン・ソーボム氏(米ボストン)
「私たちは来年、実験炉を完成させ稼働させることを目指しています」

来年以降は、できるだけ早く投入したエネルギーより、大きなエネルギーを生み出す計画だといいます。なぜ、これほど早く進めることができるのでしょうか。

CFS(コモンウェルス・フュージョン・システムズ)共同創業者 ブランドン・ソーボム氏(米ボストン)
「小さなマシンにすることで、早く、安く建造することができるのです」

会社で作っている実験炉は、人の大きさと比べてもわかりますが、直径は9.5mのコンパクトなサイズです。一方、国際共同開発のイーターは、直径がおよそ30mと、巨大なものとなっています。並べてみると、その大きさの違いがよくわかります。

CFS(コモンウェルス・フュージョン・システムズ)共同創業者 ブランドン・ソーボム氏(米ボストン)
「この実験炉が小さいのは、強力な磁石を使っているからです。使っているのは、日本製なんですよ」

高島彩キャスター:
「“日本製”というのは、一体どんな技術なんでしょうか?」

山口豊アナウンサー:
「それがこちらなんです。『高温超電導テープ』と言いまして、厚さわずか0.1mm、これを大量にぐるぐる巻きにすることで強力な磁場を作って、それによって核融合炉の小型化に成功しようとしているんです。こちらが実物大の核融合炉のイメージなんですが、この中にテープが1万kmにわたってぐるぐる巻きにされていて、それで強力な磁場で小型化に成功したということなんです」

高島彩キャスター:
「まずは実験炉ということですけれども、商業化はいつ頃を目指しているんでしょう?」

山口豊アナウンサー:
「CFS社の実験炉は来年に完成する予定なんですが、なんと商業用の発電所、これも2030年代前半には運転を開始しようとしているんです。国際プロジェクトの『ITER』が2039年に実験を開始、世界でみても核融合が商業的に使われるのは早くて2040年代と言われていましたから、CFS社は核融合の針を10年ぐらいぐっと早める、本当に成功すれば革命を起こすとも言われているんです」

高島彩キャスター:
「ただ、核というと放射能も気になりますが、そこはどうでしょうか?」

山口豊アナウンサー:
「核融合でも中性子が出てくるので、その中性子によって低レベルの放射性廃棄物などが出てきます。ただしこれは100年程度で、その放射能は大幅に低下するんですね。一方で原発に関しては、これは10万年の管理が必要とされる高レベル放射性廃棄物が出ます。この高レベル放射性廃棄物が出ないというのは、核融合にとっては大きなメリットだと思うんですよね」

高島彩キャスター:
「柳澤さん、安全面やっぱり気になりますよね?」

ジャーナリスト・柳澤秀夫氏:
「原発事故もそうでしたけれども、想定外のリスクがあるということは、絶えず考えておかなければいけないことだと思うんです。それと新しい技術につきもののコストの問題、これはどうなんでしょう?」

山口豊アナウンサー:
「まずリスクですが、例えば日本で考えると地震がありますよね。揺れがあったときに、実はこの核融合炉の中の高温の物体・プラズマは、1億℃を維持できなくて消えてしまうんです。ですから、むしろ揺れに対しては安全だということが言われています。ただし、これは放射性物質のトリチウムを使います。ですから、それを日頃からしっかりと安全に管理するということが大事になります。それとコストですが、当然、最初は非常に高いです。ただし今アメリカでは、AIブームの影響で電気が足らなくなるんじゃないかと言われていて、このCFSにも莫大な資金が世界中から集まってきている。それによってさらに開発を加速させようとしています。ですから、もしそれによって本当に成功すれば、エネルギーの転換において大きな意味を持つと思うんですよね」

高島彩キャスター:
「日本の技術が使われてますが、日本国内の動きはどうなんでしょう?」

山口豊アナウンサー
「そこが大事なんです。実は日本の企業というのはこのテープだけではなくて、核融合炉に使われる様々な部材で日本企業が世界最先端なんです。今それを使って国産の核融合炉を開発しようという動きが始まっています。日本政府も2030年代に核融合発電の実証を行って、その後の商用化を目指しています。また燃料は海から取れる重水素なんです。だからその燃料を使って日本の技術で国産のエネルギーを作れれば、資源に乏しいと言われていた日本のエネルギー事情が大きく変わる可能性があると思うんです」

高島彩キャスター:
「この夢のエネルギーが実現するか期待しつつ、その課題というのもしっかり見ていきたいなと感じました。山口さんありがとうございました」
[テレ朝NEWS] https://news.tv-asahi.co.jp

21 comments
  1. 核分裂が起こる仕組みではないから暴走する恐れが低い
    とのことだが、人間が作った調整用のコンピュータが暴走したら、結局は暴走するのでは、、、?
    と思ったけど、暴走して壊れれば核融合は止まるから結局は、安全だと思っていいのかな、、、、?

  2. ちなみにこの会社は出資を公募したことが有るが、日本からもフジクラ、関西電力、JERA、商船三井。日揮、NTT、三井物産、三菱商事、政策投資銀、三井住友銀が連合で出資した。数十億円のはした金ではあるが。

  3. 電気にする部分が水を沸騰と効率の悪い手法で全く進歩がない。温度や状態をそのまま電気に変える技術の研究が急務。

  4. AGIと核融合発電双方の完成は下級国民を生かす価値の消失を意味する

  5. どこまでも日本の技術というものを体よく利用して成果だけ持っていくんだなあって深く思いました。

  6. 核融合発電が実用化されると日本中が電気使い放題になるらしいけど、それやると電力会社が儲からないから実用化しないって噂がある。
    同じ理屈で、ガン治療も治療薬が見つかってしまうとガン保険が売れなくなって保険会社が儲からないから治療薬が出来ても公表しないって噂聞いたことある

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