『ガザ・モノローグ2023』より
「ラマー」(Lama/لمى)
作:アリー・アブー・ヤースィーン
翻訳:溝川貴己
朗読:亀田佳明
上演台本:生田みゆき
翻訳監修:渡辺真帆
動画編集:日下諭
舞台写真:SHINGO Yoshizawa
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●『ガザ・モノローグ The Gaza Mono-logues』とは
パレスチナのヨルダン川西岸にあるアシュタール劇場の企画。2008年~2009年にイスラエルがガザを空爆した際、 ガザの若者33人のモノローグで構成された劇を作ったのがはじまり。 2014年のイスラエルによる大規模空爆の際にもいくつかのモノローグが、 更に先日、「ガザ・モノローグ2023」 が追加され、 更新され続けている。
ガザで今、 悲惨な侵攻が起きていることを踏まえて、 アシュタール劇場は世界中の演劇関係者に「ガザ・モノローグ」の朗読と、その動画をSNSに投稿することを緊急要請している。
こちらの動画は、その声に応えて企画した朗読会の一部です。
アシュタール劇場のYouTubeチャンネルはこちら↓
https://www.youtube.com/@ASHTARTheatre
ガザ・モノローグ日本語訳を読みたい方、 この運動を応援したい方はこちら↓
https://gazamonologues-jp.com/
#ガザモノローグ #gazamonologues
ラマ2023年11月30 日戦車が家を攻撃し始めたら直にそこを 離れなければならない戦車は無差別に攻撃 するから悪意を持って破壊し警告なしに人 を殺す から全く頭の行かれた怪物だ見いなく建物 を切り裂いて いくアブーアフマドは服を入れたリュック と大事な書類の入ったカとを抱えながら そう考えたこの書類をまとめたカはガザの どの家にも常備されている中に入っている のはIDカードパスポート出張証明書賃貸 契約書大学の卒業証書そしてアンルアの カードこれが最も重要だこのカードがは 自身が難民であること食料支援などを 受け取る資格があることを証明してくれる からだ彼は妻子供たち車椅子の母孫たちを 連れて急いで自宅を出たみんなで通りを 走る炸裂団の音が耳をつんざく火山が噴火 したかのように周りに石が飛んでくる アブーアフマドは母の車椅子を押しながら 毎分病家族の無事を確認する今は怪我 なんてどうでもいい転んで起き上がれない ものはいないか誰もはぐれていないか彼の 目も脳みそも忙しく 動き回るまるで線の目と線の脳みそが 備わっているかのよう に彼らは走り続けとうとう空爆地帯から 抜け出した一息つくと次はサラーフッティ 通りを目指して歩き出すガザ渓谷の先の 安全地帯へつまり南へ行くため だアブーアマの頭にはテレビドラマあたり は故郷喪失の立教シが思い浮かんだ悲しみ を誘う音楽が流れる中鞄を背負って亀の ようにのろのろと歩く難民たち彼は怒りを 覚えたおいこっちはこんな急いで 6000mも移動したんだぞああいやいや いやいやいやドラマのことは忘れて進み 続けなけれ ば検問の戦車の車列が近づいてくると突然 人波に飲み込まれたどっから来たんだこの 人たちはあああの難民追報シを取るために 監督のハーティムアリーは大勢の エキストラを書き進めないといけなかった らしいあいやいやいやいや私は何を考えて んだ今は目の前のことに集中しろさらに 戦車に近づくとクワットコプターが飛んで くる怪しいものは即座に打たれる絶対に やっていけないことが2つ立ち止まること と手を下ろすことバッグを持っていても手 は上げ続けなければいけないもしバックを 落とし拾おうとかがんだら即座に打たれて 殺さ れるアブー悪魔は家族に呼びかけた大丈夫 だ前へ進もう手を離すなもっとくつこう前 前足を止めるな数分後には戦車は道を分け てくれる必ず すぐに通り抜け られるなんてことだまるでガザの人口が 200万でなく1億人になったかのようだ 最高ゲートが開いた急がない とすると 突然戦車の上にいた兵士が言う お前女の乗った車椅子を押しているお前だ 車椅子を置いて いけはい今すぐアブーアフマドは母を 抱き抱え戦車の間を通り抜けるまで走り 続けたしかし南部まではだいぶ距離がある どうやって母を運べばいい車椅子を 取り戻さなければ命がかかった決断だが 問題ない私の母が死ぬか私が死ぬかだ アブーアフマドは母を地面に置くと車椅子 に向かって走っていったシャハーダを唱え いつ死んでもいいように見えたそしてどう にか彼は車椅子を取り戻し戦車が道を塞ぐ 前になんとか戻ることができた本当に最後 の最後封鎖される直前 に彼とその家族はまた走り始めたその間も 兵士の声はずっと止まるな止まるなと 呼びかけていたアブーアマは家族を確認し た8歳の娘がいないラマーだ彼は家族に声 をかけるラマーはどこだラマーはどこに いる誰も答えなかったすると息子のアマが 言った戻ら なきゃ狂ってる奴らに打たれるに決まっ てる止まることは禁じられているのに ましてや戻るなんて息子よもう行こう父親 は無理やり息子を引っ張りながらつぶやく 神がラマーを守ってくれますようにラマー 私の小さな娘愛しい娘南部を目指して歩き ながらずっとラマーのの姿が脳裏に浮かん だ彼女が生まれた日のこと初めて歩いた日 のこと眠る前には歌や物語を聞かせてやっ たそれから初めて小さな鞄を持って幼稚園 に行ったラマーはまるで色鮮やかな蝶の ようだったラマ私の心私の喜び私の愛する ラマ彼は妻の声で我に帰っ たヌラとキャンプの入り口に着いたわ このまま待ちましょう誰かがラマーと一緒 かもしれ ない彼らは通りに座り続けるとふと雪かう 人々の顔が険しく誇りにまみれているのに 気がつくその顔にはこの世のありと あらゆる悲しみ怒り不条理があったしかし 自分の家族の顔を見るとさらに険しく惨め だった神がラマを守ってくれますように 彼らは3時間じっと座って待ち続け た突然人混みが割れると赤ちゃんを連れた 男性がラマーの手を引いて歩いてきた ラマーは一目さんに母親の元へと走って くる皆涙を流し男に感謝し た一家はハユーニスにたどり着きアルアの 参加にある工業用建物に身を寄せている 破壊された自宅に帰る日を待ち ながら有りアブ ヤシン