坂東三津五郎、近藤サトとの再婚とわずか2年での破局。名門・大和屋を背負った男の、孤独な闘い。病床で最後まで離さなかった扇と、若き役者たちへ遺した「江戸の粋」。

坂東三津五郎、近藤サトとの再婚とわずか2年での破局。名門・大和屋を背負った男の、孤独な闘い。病床で最後まで離さなかった扇と、若き役者たちへ遺した「江戸の粋」。



「僕は、舞台の上でしか息ができない」。十代目坂東三津五郎、59歳で燃え尽きたその命の記録。 日本舞踊の家元として、そして歌舞伎界の重鎮として、戦後歌舞伎を支えた天才の裏側にあった、あまりにも人間味溢れる葛藤に迫ります。 寿ひずるとの別れ、近藤サトとの波乱の結婚。名門の跡取りとして完璧を求められる一方で、一人の男として道に迷い、世間の指弾を浴び続けた日々。 なぜ彼は、肺への転移を告げられてなお、カメラの前に立ち続けようとしたのか? 死の淵で彼が見せたのは、プライドを捨て、ただ「役者」として死にたいという、剥き出しの執念でした。 紫綬褒章を受け、円熟味を増した矢先の別れ。 私生活の過ちを飲み込み、最後は芸の神様に愛されて旅立った、ある歌舞伎役者の「美学と孤独」を紐解きます。