「きょうは花キン!飲みに行こう!」という言葉も、めっきり聞かれなくなりました。お酒の消費量が減り、北海道の酒造メーカーは、苦境に立たされています。
日本酒の消費量は30年前の3分の1までに減少
きょうも1日お疲れさまでした。晩酌は日本酒!なんて方も多いと思いますが…道内での日本酒の消費量は、30年前の3分の1ほどまでに減っています。
酒造会社
「ビールだったら飲めるけど、日本酒はちょっと厳しいという人もいる」
特に若い世代の日本酒離れに、道内の日本酒メーカーは危機感を抱いています。
酒造会社
「社運をかけて、この事業を成功させたい」
居酒屋スタッフ
「北の勝ハイボールです」
飲食店店主
「若者が飲みやすく、キャッチーに飲めるように」
日本酒の文化を守る、新たな取り組みを取材しました。
最北の酒蔵は発泡酒の生産に着手
北海道北部の増毛町の国稀酒造です。
創業は明治15年(1882年)。「日本最北の酒蔵」がこの春、140年あまりの歴史で初めて、発泡酒の生産に乗り出します。
竹村絵里菜ディレクター
「かつてニシン漁の道具などが保管されていた歴史ある『千石蔵』。その中に、醸造施設が誕生しました」
石造りの倉庫を改装して、ブルワリーを作りました。
国稀酒造 林知宏取締役
「日本酒の消費量が減っている。ビールだったら飲めるけど日本酒はちょっと厳しいという客もいる。国稀酒造がこれからやるぞというのを見てほしい」
去年、道内のビールメーカーに製造を委託した試作品を、酒蔵でテスト販売すると「おいしい」と好評。手応えを感じています。
観光客
「北海道ってビールのイメージあるじゃないですか。ビール好きにはうれしいニュース」
「いいと思います。来ます」
原料には「国稀」の仕込みにも使われる暑寒別岳の伏流水を使用。
ブルワリーには、ビアホールも併設し、地元産の食材を使った料理とともに発泡酒も日本酒も楽しめるようにする計画です。
国稀酒造 林知宏取締役
「ビールを通して日本酒を知ってもらう、日本酒を通して増毛町を知ってもらい、ビールを飲みに来てもらう」
地酒を応援する取り組み活発に…北の勝大海ハイボール
地酒を応援する動きも。道内外に28店舗を構える人気の回転ずし店「根室花まる」です。
弾ける炭酸。「北の勝 大海ハイボール」です。
堀内大輝キャスター
「最初にレモンの香りがグッときて、ソーダで香りがふわっと来て、後からじわじわと日本酒のまろやかな甘みが…飲みやすい」
ウイスキーではなく、根室の地酒「北の勝」を炭酸水で割ったハイボール。さっぱりとした飲み口で、お寿司との相性も…
堀内キャスター
「おぉ、合う。お寿司もお酒もこの組み合わせでグビグビ、いっちゃいそう」
回転寿司「根室花まる」奥谷昌史エリアマネージャー
「根室の地酒を使っているからと頼む人が多い。さっぱりしているので、それがいいとおかわりする人も多くいます」
開発したのは根室市内の飲食店組合“地産地消”にひと役
日本酒になじみがない人にも、地酒を楽しんでもらおうと根室市内の飲食店組合が開発しました。
去年2月から市内の40の飲食店で提供を始めると、観光客はもちろん、地元の人にも好評で、地酒の地産地消にひと役買っています。
地元客
「こんなふうに出てくるんだ、カニ!根室っぽいグラス」
花咲ガニをあしらったカップでの提供も「根室っぽくていい」と若い世代を中心にウケています。
地元客
「あっ、うまい」
旬魚旬彩「苑庭」遠藤俊介さん
「『北の勝』という根室の地酒、すでに素敵なお酒がある。本当に飲みやすいので気軽に飲んでほしい」
リキュールの生産ラインを新設する酒蔵も
堀啓知キャスター)
酒蔵が作った発泡酒に、日本酒のハイボール。おいしそうでしたが。消費量は落ち込みは深刻なんですね。
世永聖奈キャスター)
道内の日本酒の消費量は、およそ45年前(1978年)の4分の1、およそ30年前(1993年)の3分の1まで減っています。人口の減少、若年層の「酒離れ」が要因とみられています。
道内には、ほかにもこんな取り組みをしているメーカーもあります。
世永キャスター)
旭川市の高砂酒造は去年11月に、日本酒をベースにした梅酒といった「リキュール」の生産ラインを新設しました。
高砂酒造も、明治時代に創業の老舗ですが、「リキュール」の売り上げは、すでに商品全体の1割を超えていて、今後は2割程度まで増やしたいとしています。
堀キャスター)
いろいろな酒造メーカーがアレンジ商品を出しているので地元のお酒を、適度に楽しく味わうことが、地元の食文化の継続につながるかと思います。
あと若い人が将来日本酒を作りたいと思える環境づくりも大事かなと思います。