晴天に傘を貸し、雨天に取り上げる?国際金融市場の功罪(夢ナビ2024)/ 鈴木 唯/国際教養学部 国際教養学科 経済経営学専攻(EM専攻)

晴天に傘を貸し、雨天に取り上げる?国際金融市場の功罪(夢ナビ2024)/ 鈴木 唯/国際教養学部 国際教養学科 経済経営学専攻(EM専攻)



00:00  冒頭
00:14 高校時代にこの学問を追求したいと感じた瞬間はありましたか?(10秒ハイライト)
01:24 はじめに
02:04 恒常所得仮説と消費の平準化
05:52 国際金融統合で経済は不安定化?
07:35 人生の岐路で、この学問と他の何かで迷われたことはありますか?(10秒ハイライト)
08:33 消費の平準化と最適化
18:20 まとめ
19:32 この学問は社会・人をどのように変えますか?(10秒ハイライト)

夢ナビ2024における講義「晴天に傘を貸し、雨天に取り上げる?国際金融市場の功罪」
講師:国際教養学部 経済経営学専攻 鈴木 唯 教授

国際金融統合は経済を不安定化させるとの懸念は事実でしょうか?この講義は、恒常所得仮説というマクロ経済学の標準的な理論をベースに、データを使って検証した論文を紹介します。実証結果は国際金融統合が消費の最適化に寄与してることを示唆しました。

[音楽] [音楽] 高校時代の私は経済学やその他の学問に ついて無知でしたえ生ぜ自然科学理系化 文系化えまあるいは文系の中でも社会科学 か人文学系統か程度の感覚だったと思い ますそれでも高校3年生になると模擬試験 などえでえ死亡校とか学部を記入する機会 も増えてえ学びたい学問分野を多少意識 するようになったと思いますえ背伸びをし て大学共用レベルの本を読んだりして国際 関係論を勉強したいと思うに思うように なりましたえ国際関係論ではなく結局経済 学をとえ考えるようになったのは大学に 入ってからのことです大学院で専門分野と したのは経済学の中でもえ国際経済学 インターナショナルエコノミクスという 分野で高校生の頃の興味が大きく変わった わけではありませんえしかし興味関心と 学問分野えっとディシプリンえ英語で言い ますえ学問分野の選択はまた別の問題だと 考えてい ます武蔵大学国際教養学部経済経営学先行 の鈴木と申します本日は晴天に傘をかし右 に取り上げる国際金融市場の口座という テーマでお話しし ます講義の流れはこの通りでまず現代の マクロ経済学においてスタンダードな考え 方となっている向上所得仮説と消費の平準 化という概念を紹介しますそして国際金融 統合で経済が安定化しているのではないか ということを示唆する既存の研究を紹介し それに対するアチ定として2014年に 交換した研究論文を紹介させていただき たいと思い ます経済学の理論にはミクロ経済学と マクロ経済学という2つの柱があり多くの 大学の経済学部で経済学を学ぶ基礎として ミクロ経済学とかマクロ経済学という科目 が提供されていますマクロ経済学は世界や 日本といった大きなの枠組を分析するもの で家計消費者や企業の集合隊としての経済 がどのような動きを見せるかということを テーマとしてい ます一方でミクロ経済学は個々の経済主体 消費者であるとか企業のことですえこの 経済主体の行動を立する同期とか有人経済 学ではインセンティブと呼びますえこう いったインセンティブを解明するもの です現在のマロ経済学ではミクロ経済的 基礎付けというものが潮流になっていまし て合理的に行動する経済主体によって構成 される数理マクロ経済モデルを分析ツール とするのがスタンダードになってい ます合理的に行動するということは例えば 家計や消費者であれば公用これは経済学の 用語でえ難しい概念ですけれどもえっと 満足度という風にお考えくださいこうした 満足度を最大化するとか生産者であれば えっと利益利潤を最大化するということに なり ますえそれでは所得が上がったり下がっ たりする世界において家計や消費者が最適 な消費計画をどのように立てるか考えてみ ましょうここでは2期間2ピリオドですね えっと2期間生きる家計を想定しますまた 議論を単純化するために金利は車掌して 考えます第1期の所得y1が100第2期 の所得y2が200の時最適な第1期の 消費C1と第2期の消費C2はどのように なるでしょう か多くの消費者は消費を平準化したいと いう先行を持っていますのでえC1とc2 を共にえっと約150としたいと考える はずですこれを実現するためには第1期に お金を借りる必要があります逆に第1期の 所得y1が200第2期の所得y2が 100の時も同じように考えるとやはりC 1とc2を共に150とするように行動 するはず ですこちらにおいては第1期に貯蓄をする ことでえっと実現するはず ですこのように家計は将来の所得を予測し た上で最適な消費計画を立てるすなわち 現在の消費と将来の消費予定を同時に決定 するという考え方はマクロ経済学において スタンダードとなっていますこうした概念 を合理的期待ラショナル エクスペクテーションと向上所得仮説 パーマネントインカムハイポセシスという 風に呼びます合理的期待向上所得仮説に 基づいて考えると消費の平準化コンサ スムーズと呼びますえ言います消費の平準 化が最適会となりますが外国に開かれた 一国の経済全体という分脈で考えるとえ 金融統合を通じて外国からお金を借りたり 貸し付けたりするえことができるように なって初めてこの消費の平準化が可能に なると考えることができ ますこう考えると金融統合によって消費の 変動ボラティリティは小さくなるはずなの ですがえ小Aオールえ2003年の論文は これと矛盾するようなデータを提供してい ます具体的には消費と所得の成長率の変動 の費をえ小勢オールはえっと取っているん ですけれどもえこの数字が金融統合の進ん だ発展途上国えこちらのmfiとえ書いて あるところです金融統合の比較的進んだ 発展途上国においてえっとこの値がえっと 実際増加しているえそれからえっと インダストリアルカトリとえいう風に書い てあるところでえこれ先進国のことです けれどもえこちらの先進国においても特に 低下している形跡がないとえいうことが えっと報告されていますさらにえ カミンスキーラインハルトアV2004年 のえ論文でもえ異なる観点から金融統合が 消費の平準化に役に役立っていないとえ いうことが指摘されていますこの論文の タイトルはWhenitrain italFLOWandicPOという ものでこのタイトルが示すように彼女らは 景気の良い時に借入れをして不強化で返済 が生じているということを指摘しました 国際金融市場は晴れの日に傘を貸し雨の日 に傘を取り上げているとえいうことで えっと国際金融市場が経済を不安定化させ ているなのでとプアず土砂ぶりになって いるとえいうことをえっと問題提起した わけ [音楽] です私は大学卒業後にそのまま大学院に 進学したわけではなく大学を卒業した後は 政府系金融機関に就職しましたそこは日本 企業の輸出や海外事業展開を支援する役割 を担う銀行で個人としても大規模な プロジェクトにえ携わりえ発展途上国の 政府やIMF世界銀行といった国際機関を 訪れるために頻繁に海外に出張していまし た仕事は非常に刺激的なものでしたので 海外の大学院に留学するために退職した ことは大きなえっと機だったと今でも思っ ています現在各問の世界に身を置いている わけですが実社会で勤務する中で得た経験 や知識は研究はもちろんのこと学生を指導 する上でも非常に役立ってえいると思い ますえここから2014年に私が交換した 論文financialination andconsumptionRK sharingandsmingを紹介さ せていただきたいと思いますえコオール 2003年やカミンスキーラインハルトエ ベグ2004年とは反対で国際金融市場は 消費の平準化に寄与している可能性につい て理論実証の両面から考察した論文となり ます というわけで研究の同期はえリサーチ クエスチョンは国際金融市場は本当に晴の 日に傘を貸しえ雨の日に傘を取り上げて いるのかということになりますえその研究 のアイディアとしてはえっと経済学で えっと所得のえっとプロセスインカム プロセスと呼びますけれども所得水準の たどるプロセスによってえ合理的期待え 向上所得仮説の予測が異なることこういっ たえっと理論え的なえっと考え方がえ研究 の支柱となっていますえここでは一時的 ショックえトランジットショックえそれ から向上的ショックランダムウォーク ショックえさらに性の自己相関ショックえ ポジティブオートコレーショックとえま この3種類のえっと所得ショックを考え ますがえっとこちらはかなりテクニカルな 話になりますのでえ図を使って直感的に 説明したいと思思います まずこちらの図はえっとトランジット ショック一時的ショックえを表したもの でしてえっとこのT0機ですねえこちらに えっとせプラスのえ所得ショックが起き ますでこの所得ショックはプラスの ショックが起きた後しばらくえプラスの ショックが残るんですけれども時間を多う ごとにこのように元に戻っていきます時間 が経過するにつれて元の所得水準に戻って いくとえいうことで一時的なショックと いうことになりますえこういったショック に直面した家計は将来にわって所得の上昇 を折り込んでえっとこちらの赤線が示す ように消費水準を修正しますT0機まこの ショックが起きたタイミングにおけるえ 消費の上昇は所得の上昇に比べて小幅にえ とまりその後消費水準はえっと変わらずに えっと維持されます えT1期えっと所属のショックが起きた後 ですねえっとここのタイミングでえっと 消費はえそう消費水準の変更は生じません なぜなら家計はすでに所得の上昇を 織り込んでいるからですえまこういった 考え方が消費の平準かというものです もちろんこの時家計は書直しり貸し付けを 行うまこの場合はプラスのショックですの でえっと貯蓄をするということになります え逆にえっと負のショックえの時には 借入れが必要ということになり ますえ続きましてえっとこちらはえっと ランダムウォークショッとえいう風に経済 額で呼ぶものでえっとこちらはえT0機に おいて所得水準がえっと上昇するえその後 に所得は一切変わらないとえいったタイプ のえっと所得ショックになりますこの場合 ですね所得の上昇は全て向上所得の上昇を 意味していますので消費の上昇は所得の 上昇と等しくなりますえただしえっと こちらは借入れや貸付けを前提とした場合 でコえっと他の国外国と株式や証券の 持ち合いを行っている場合消費の上昇幅は 所得の上昇幅よりも小幅にとまるかもしれ ません次の図こちらの図はえっと正の自己 相関ショックを表しますトレンドショック とも呼ばれるものでt0機にえこちらT0 機にえ所得の成長率が上昇した後その後 しばらくの間高い成長率が維持されると いったイメージで考えてください所得が 一定期間高い成長率を記録するためえ将来 時点の所得水準はえっとT0期における 所得水準を大きく上回るえということに なりますえこの場合合理的な家計が最適と 考える消費の上昇は所得の上昇に比べてえ 大幅なものとなりますえT0期において 消費の変動は所得の変動を上回りますので もしこうした性の自己相関ショックが重要 である場合消費の最適化は必ずしも消費の 平準化コンサョスムーズスを意味しない こととなり ます論文では えこうしたえっとアイディア理論的な考察 をベースとして実証的に所得の変化に 対する消費の変化を推計しましたデータは 消費とGDPについては1980年から 2011年までの120カ国の年時データ えっとこちらは世界銀行やIMFからえが 出張になっていますえそれからえ金融統合 の度合についてはL エミフによる先行研究のデータを使いまし た推計の第1段階として実際のGDP データからえ先ほど紹介した3種類の ショックとそれに付随する2種類の所得 変化をまず推計しますテクニカルな内容に なるので詳細は省きますが先ほど図で示し たような3種類の所得ショックとそれに 付随する予測された所得の変化という風に 考えていただければと思い ますそして第2段階ではこれらの所得 ショックや消費の変化に対して消費がどの ように反応しているかを確認します経済学 ではこれを限界消費成功えマージナルプテ と呼びますがこの限界消費成功が金融統合 の進展によってどう変化しているのかと いうことに注目して金融統合が消費の最適 化に貢どのように貢献しているかという ことを検証しようとしたわけ です第2段階の推計結果をまとめたものを えっと紹介えします一時的ショックについ てOECDやEUといった先進国において はまず消費は織り込み済みのの所得変化に 反応していませんえこれはラショナル エクスペクテーションやパーマネント インカムハイポセシスえ合理的期待やえ 向上所得仮説が予測していることと成合的 です一方で新興国においては過去の一時的 ショックからえ予想されるはずであった 所得変動によって消費がえ増減しており 金融投合を通じた えさらに一時的ショックに対する消費の 反応はOECDやEUといった先進国に おいてえっとより大きいえことが示されて いますがえこれは先進国の家計が将来の 所得像を織り込んで消費計画を立てている あるいは立てることができていてえそれを 消費計画に従ってえ行動しているという ことをえっと示唆し ますえ続きましてえっとレベルショック えっとランダムウォークショックに対する 消費の反応のえ図ですえ借入れ貸し付けに 基づくラショナルエクスペクテーション パーマネントインカムハイポセシスの予測 は1なのですけれどもえっとここで推計さ れた結果は1よりも小さいえということが 分かりますえ特にOECDやEUにおいて 顕著に小さいことが示されていますえ こちらは証券の持ち合いによってえっと リスクシェアリングが機能している結果で あるという風に解釈することができるかと 思いますえ続きましてでえっとこここちら からえっと金融統合の進展によるえ影響に ついてえっと具体的に見ていきたいと思い ますえっと推計結果は一時的な所得 ショックやそれに付随する所得の変動に 対する消費の反応が金融統合が進展するに つれて減少する傾向があるということを えっと明確に示していますえこの傾向は 合理的期待やえ向上所得仮説の予想と予測 と整合的でそうした傾向は特にえ非 OECD諸国進行国とかえ発展途上国に おいて顕著となっていますえさらにえっと こちらはえっとレベルショックランダム ウォークショックについてえレベル ショックに対する消費の反応えがえっと 金融統合によってえっとどのように変化え しているかということを示していますえ 金融統合が進展するにつれてレベル ショックに対する消費の反応はえやはり えっと減少する傾向にあるということが こちらから確認できますこの結果というの は証券の持ち合いえによってえっとリスク シェアリングが機能しているとえいうこと がえっとその背景にあるものと解釈する ことができるかと思いますえっと最後に えっとスロープショックトレンドショック に対するえ消費の反応についてです スロープショックに対する消費の反応は 金融統合によって増というえっと大きく なるとえいう統計的に優位な傾は残念 ながら確認はできませんでしたえしかし OECDやEUえ先進国におけるえっと 推計の符合えっとプラスマイナスですねえ 符合はえ合理的期待や向上所得仮説の予測 と一致しておりまえっと弱いですけれども まそういったことが確認できたとえいう ことが言えるかと思いますはいえっと最後 にえっとまとめですえ1980年代以降 先進国を中心に金融統合は大に進展し さらに1990年以降は振興国や途上国も 国際金融市場にアクセスして活発に債券を 発行するようになりましたしかしながら 通貨機器や金融機器債務機器といったえ クライシスが頻発していることもあって 金融統合に対する警戒感も根強くえ残って いますえそして実際コゼオールの2003 年えとかカミンスキーラインハルトアン ベイグの20004年の論文のように金融 統合のえ経済安定化に対する貢献に会議的 な見方をえっとしているえ学術論文も えっとございますえそれに対してえっと 今日は所得変動プロセスを考慮すれば必ず しもそのような懸念はえ当たらないという ことを理論実証の両面から示唆した論文を 紹介しましたえカスキラインハルトアベグ えの言葉を借りれば国際金融市場はは雨の 日に傘を貸しているかもしれないの です現在主流となっている経済学は現実の 経済現象の観察数理モデルの構築統計 データによる検証えという一連のプロセス を手法としています心理が関与する人間の 行動やそうした人間が構成する複雑な社会 を数理モデル化するのはではありませんが 経済学は積極的に数理モデル化を取り入れ 社会科学の中でもサイエンス的な要素を色 濃く持つ学問ですまた経済や社会の実態を 統計額の方法で明らかにする軽量経済額と いう分野を発達させそのその手法は経済学 以外の社会科学のみならずビジネスにおい ても広く活用されています経済学が発展し 経済学的な手法を理解する人がえっとより 増えていくことによって社会やビジネスに おいてより合理的な意思決定が可能になる と思います [音楽]

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